1.冬至とは?(2025年12月22日~2026年1月4日)

冬至(とうじ)は、一年で最も昼が短く、夜が長い日です。
2025年の冬至は12月22日。

この日から次の節気までを、季節の流れとしての「冬至」と捉えることもあります。

冬至の頃は日が短く、朝晩の冷えを特に感じやすい時期です。
そのため、「寒さが底に近い」「一年で一番つらい時期」と感じる方もいるかもしれません。
しかし東洋医学では、冬至は単に陰が深まる日ではなく、「陰が極まり、そこから陽が生まれる日」と考えられています。

この日を境に、少しずつ昼の時間が長くなります。
目に見える変化はわずかでも、自然界では次の季節へと向かう力が静かに動き始めます。

冬至は、陽を迎える準備の節目。
生まれたばかりの小さな陽を、急がず、丁寧に育てていく時期です。

2.冬至に起こりやすい体の不調

①重さ・停滞感を感じやすい

冬至は、一年で最も体のエネルギーが内側へ集まる時期です。
体が自然に動きを抑え、回復に力を使おうとします。

そのため、

  • 体を動かすのが億劫に感じる
  • 全身が重く、スイッチが入りにくい
  • 眠気が強く、休んでもまだ足りない感覚
  • 朝の立ち上がりに時間がかかる
  • 無理をするとすぐに疲れてしまう

といった感覚が出やすくなります。

これは単にエネルギー不足だけが原因ではなく、体が消耗を防ぐために、自然と回復に力を向けている反応です。

②冷えや免疫力の低下を感じやすい

陽が生まれるとはいえ、その力はまだとても小さく不安定です。
体を温め、守る力が十分に働かないため、

  • お腹や腰の奥が冷える
  • 手足が温まりにくい
  • 風邪をひきやすい

のようなことが起こりやすくなります。

この時期に無理をすると、生まれたばかりの陽を消耗しやすくなるため注意が必要です。

③心が内向きになり、気分が沈みやすくなる

体と同じように、心も静かに内側へ向かいやすい時期です。
一時的に気分が沈んだり、考え込んだりしやすくなるのは、心が整理や回復に向かっているサインであることもあります。

  • 理由もなく気分が落ちる
  • やる気が出ない
  • 先のことを不安に感じやすい
  • 人と会うのが億劫になる

これらは必ずしも気持ちの弱さではありません。
心が静かに整おうとしている過程で起こる反応の一つです。

3.冬至の養生ポイント

①陽を「増やす」より「守り育てる」

冬至は陰が極まり、陽が生まれる節目です。
ただし、この陽はまだ芽が出たばかり。

元気を出そうとしたり、何かを足そうとしたりするよりも、消耗を避け、静かに守ることが何より大切です。

頑張る養生ではなく、頑張らないことで整う養生が必要な時期です。

②動かないことを「悪いこと」にしない

冬至前後は、重だるさや眠気、やる気の低下を感じやすい時期です。
寒さや日照時間の短さの影響で、体が自然に休息や回復を優先しようとするサインであることもあります。

無理に動こうとすると、かえって疲れが抜けにくくなることもあるため、動けない自分を責めないことが大切です。
立ち止まること、休むことは、次に動き出すための準備であり、決して後退ではありません。

③温め、安心させることを最優先に

体も心も内向きになりやすい時期です。
この時期に大切なのは、「ここにいて大丈夫」「急がなくていい」と伝えること。

安心感が生まれると、体が自然とゆるみ、内側で芽生えた陽が穏やかに育ち始めます。

整えるよりも包み込むように温めること。
それが免疫力の回復や、心のリセットにつながっていきます。

4.冬至におすすめの食材&生活習慣

①おすすめの食材

  • かぼちゃ:体の内側をじんわり温め、消耗しやすい時期のエネルギーを補ってくれます。
    甘味があり、胃腸への負担が少ないため、「疲れているけれど、何か食べたい」
    そんな冬至の頃の体に向いています。
    かぼちゃの穏やかな温かさは、生まれたばかりの陽気を刺激しすぎず、土台として支えてくれます。

    煮物やポタージュ、蒸かしかぼちゃなど、温かく柔らかい調理がおすすめです。
  • ゆず:体を温めながら、心や体に溜まりやすい緊張をふわっと緩めてくれます。
    冬至の頃に感じやすい「理由のない沈み」「なんとなく重たい感じ」にそっと寄り添う食材です。
    特にゆずの香りには、巡りを助け、気分を今ここに戻してくれる働きがあります。

    ゆず湯は、体を温めながら、一年の疲れを手放す冬至ならではの習慣。
    飲み物や料理に少し添えるだけでも、心身がゆるむ感覚を感じやすくなります。
  • 小豆:溜まった余分なものをやさしく外に出し、内側を整えてくれます。
    冬至は新しい陽を迎える節目。
    不要な重さを手放すことで、次の流れに移りやすくなります。
    小豆の良さは、強く動かすのではなく、静かに巡りを整えるところ。
    体も心も一度リセットしたいときに向いています。

    甘さ控えめのお汁粉や小豆粥など、落ち着いた、温かい食べ方がおすすめです。

②おすすめの生活習慣

♦動かすより、休ませる

無理に活動量を増やすより、休む選択が養生になります。

「まだ眠い」「もっと休みたい」という感覚は、体が回復を求めているサインであることが少なくありません。

<おすすめの工夫>
  • 夜はいつもより5分~10分でも早く布団に入る
  • 予定を詰め込みすぎない
  • 何もしない時間を意識的につくる
  • 昼間は眠気を感じたら、5分~15分ほど目を閉じて休む
  • 「今日は休む日」と決め、頑張らないことを自分に許す

休むことは、陽気を育てる大切な時間です。

♦体の芯をやさしく温める

冬至の冷えは、体が静まり、内側の温かさが表に出にくいことで感じやすくなります。

抵抗する温め方ではなく、安心してゆるむ温かさを選びましょう。

<おすすめの工夫>
  • ぬるめ~心地よい温度の湯船にゆっくり浸かる
  • 下腹部や腰を温める
  • 締め付けない服装を選ぶ
  • 冷たい飲み物を控える
  • 暖房を効かせすぎない

冬至の温めは、体を無理に動かすためではなく、やさしく守るためのものです。

♦心を静かに整える時間をつくる

考え込んだり、気分が沈んだりするのは、次の流れに向かうための自然な準備期間です。

無理に前向きになろうとせず、心を静かに休めることが再生につながります。

<おすすめの工夫>
  • 夜は照明を少し落とす
  • 深呼吸をし、体の力をゆっくり抜く
  • スマホや情報から離れる時間をつくる
  • 頑張った自分をねぎらう
  • ぼんやりする時間を大切にする

心が静まると、新しい希望が自然と芽生え始めます。

5.おわりに

冬至は、一年で最も静かでありながら、新しい流れが始まる節目です。
目に見える変化は少なくても、自然界も私たちの体も、内側では次の季節へと向かう準備を進めていきます。

この時期に感じる重さや停滞は、陽が生まれるために必要な静けさ。
無理に動こうとせず、休み、温め、安心することが、冬至の養生です。
どうか立ち止まる自分を責めず、静かな時間を大切にしてください。

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