「最近、手がこわばって動かしにくい」

「指の関節が痛くて、整形外科に行ったけど”年のせい”と言われた」

そんな経験はありませんか?

実はその手指の痛み、更年期障害のひとつかもしれません。

本記事では、更年期世代の女性に多い手指のトラブルを、西洋医学と東洋医学の両方の視点からわかりやすく解説していきます。

更年期女性に多い、手指のこわばりから起こる病気

更年期(おおよそ45歳~55歳)を迎える女性には、女性ホルモンの変化によって手指の不調が出やすくなります。代表的なものを紹介します。

①ばね指

指の健が炎症を起こして動きがスムーズでなくなり、曲げ伸ばしのときに「カクッ」と引っかかるようになる状態です。

病院では、指を休ませるために固定したり、痛み止めの服用で痛みを抑えたり、ステロイド注射で炎症を抑えたりします。なかなか改善しない場合は手術をすることもあります。

②関節リウマチ

自己免疫に異常が発生し、免疫が関節を攻撃することで関節に炎症が起き、腫れや痛みが伴います。朝のこわばりが特徴的な病気です。

病院では、薬を飲んで免疫を抑えて痛みを抑える方法が中心となります。

③ヘバーデン結節

指の第一関節が変形して、こぶのように腫れて痛みを感じる病気です。

特に50代女性に多く見られます。

病院では痛み止めを処方されてたり、テーピングをしたり、症状がひどい時はステロイドを用いたりします。

④手根管症候群

手指の神経が圧迫され、親指から薬指にかけてしびれや痛いを感じる病気です。

急性期には明け方に痛みが強く出ることもあります。手を振ったり、指を曲げたり伸ばしたりすると楽になります。原因は不明とされていますが、けが、手の使いすぎ、などで生じやすいとされています。

病院では、痛み止めやビタミン剤などの飲み薬や、患部を休ませるために固定したりします。

難治性の場合は手術をすることがあります。

⑤母指CM関節症

拇指CMとは親指の付け根の関節のことです。

その名の通り、親指の付け根の関節に痛みが出る病気です。物を持つ、瓶のふたを開ける、雑巾を絞るといった動作がつらくなります。

仕事や手芸や園芸などの趣味で、手を酷使する方がなりやすいとされています。

病院では、軽度の場合は痛み止めや湿布で対処したり、ひどい場合は手術を検討されたりする場合もあります。

更年期に手足が痛くなる理由は、女性ホルモンの乱れ

女性ホルモン(エストロゲン)は骨や関節、血管の健康を守る役割を持っています。

更年期になるとエストロゲンが急激に減少し、

  • 骨や軟骨の代謝が乱れる
  • 炎症が起きやすくなる
  • 血流が悪くなる

といった影響が出ます。

そのため、整形外科で「年齢ですね」といわれる症状の中に、実はホルモンの変化が大きく関わっているケースが多いのです。

東洋医学的にみる、手指が痛くなる主な原因

東洋医学では、体のバランスの乱れが痛みやこわばりを生み出すと考えます。

代表的な原因を4つ紹介します。

①血の巡りが悪い

血流が滞ると、関節に栄養が届かず痛みやしびれを感じやすくなります。

生活習慣病をお持ちの方、顔のくすみやシミがある方、顔色が暗い方は血の巡りが悪い可能性があります。

このタイプの方は強めの痛みが発生しやすく、中には夜眠れない程ひどく痛むこともあります。

②冷え

冷えは関節をこわばらせ、痛みを強くします。冬や雨の日で気温が低下した日に悪化しやすいのが特徴です。夏でもクーラーで体が冷えて悪化することもあります。

手足の冷えを感じる人は要注意です。

③水が溜まってしまっている

体に余分な水分が溜まると、むくみや関節の腫れ、重だるさが起こります。

梅雨の時期や湿気の多い日、気圧の変化で辛さを感じやすいタイプです。

④カゼが引き金になることも

東洋医学ではカゼのことを風邪(ふうじゃ)と呼びます。まさに、カゼの語源になったものです。

これが体に侵入するとカゼだけでなく、様々な不調を引き起こします。

ですので、侵入されないように体を整え、免疫を維持しておくことがとても大切になります。

予防のためにできること~体のバランスを整える暮らし方~

痛みが長引かない体を作るには、日常生活で体のバランスを整えておくことが大切です。

①免疫を高めておく

十分な睡眠、バランスの取れた食事、ストレスコントロールが基本です。

とはいえ、現代では特にストレスコントロールが難しいですが、できる範囲で日ごろからコツコツ積み重ねるだけでも大丈夫です。

②冷えから体を守る

手指や足指を冷やさないように、季節を問わず冷え対策をしましょう。

夏に体をしっかり温めておくことで、冬が楽に超えられると東洋医学では考えられています。

また、体を冷やすのを避けるのもとても大切です。

冷蔵庫で冷えたものをそのまま食べるのは避けましょう。

③適切な運動で「水」を追い出す

ウォーキングやストレッチなどで体を動かすと、余分な水分を体外に出しやすくなります。

筋肉を動かすことで血流改善にも◎。

かかと上げ運動や、踏み台昇降(段差1段を上り下りする運動)を毎日コツコツ行うだけでも違いが出てきます。

歯磨きしながら、テレビを見ながら等、ながらで気軽に習慣として取り入れてみてください。

④食べ過ぎに注意して水を溜めすぎない

甘いもの、脂っこいもの、アルコールの摂りすぎは余分な水分を体に生み出してしまいます。

食べ過ぎを控えて胃腸を守ることが、痛みが長引かない体づくりにつながります。

全く食べないのは寂しいですが、毎日食べずに週末の楽しみや、自分へのご褒美として食べましょう。

自分でできる食養生

①血を補う食材

女性は更年期に「血」が不足しやすくなります。貧血ではなくても、相対的に足りずに不調が出ている場合もあるので、取り入れてみてください。

  • なつめ
  • クコの実
  • 黒ゴマ
  • ほうれん草
  • レバー

これらは「血」を増やすように体をサポートしてくれます。

②冷えを取り除く食材

体を温める食材が役に立ちます。

  • 生姜
  • ねぎ
  • シナモン
  • 羊肉

温かいスープや煮込み料理に取り入れると、無理なく続けられます。

③余分な水を排出する食材

むくみが気になる方は、体に溜まった「余分な水」を外に出すのがポイントになります。

  • ハトムギ
  • 冬瓜
  • 小豆
  • 緑豆

体が重く感じるときは試してみてください。

ハトムギ茶はドラッグストアでよく販売されていますので、取り入れやすいと思います。

緑豆は緑豆はるさめ、緑豆もやしでよく見かけます。こちらもスープで気軽に取り入れてみてください。

最後に

更年期にあらわれる手指のこわばりや痛みは、「年齢のせい」だけではありません。

女性ホルモンの変化や、体質による「血の巡り」「冷え」「水分の滞り」など、さまざまな要因が重なって起こります。

症状の出方は人によって異なります。

「整形外科では異常がないと言われたけど、痛みが辛い」

「痛み止めだけ飲み続けるのではなく、体質から改善したい。」

そんなときは、ぜひ一度漢方薬局にご相談ください。

あなたの体質に合わせて、痛みを和らげ、再び指先まで軽やかに動ける毎日をサポートいたします

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