1.秋分とは?(2025年9月23日~10月7日)
秋分(しゅうぶん)は、昼と夜の長さがほぼ同じになる日(9月23日)。
この日を境に、夜の時間が少しずつ長くなり、自然は「陽」から「陰」へと静かに移り変わっていきます。
夏の活発なエネルギーが落ち着き、秋の深まりとともに、私たちの心と体にも「内に向かう静けさ」が求められる時期です。
日中はまだ暑さを感じることがあっても、朝晩はひんやりと肌寒くなり、日が暮れるのも早くなるなど、自然は確かに「陰」の季節へと向かっています。
自然が静まっていくように、自分自身の内側も整えていく。
陰陽の転換点である秋分は、心と体のバランスを見直す絶好のタイミングです。

2.秋分に起こりやすい心と体の変化
~「ちょっとゆらぐ」は、自然なこと~
秋分は、陰と陽のエネルギーが入れ替わる節目。
自然界のバランスが整う一方で、私たちの心と体には「ゆらぎ」が出やすくなります。
特に感じやすいのが「気持ちの変化」です。
日が短くなったり、季節が変わったりすることで、次のような状態が起こりやすくなります。
- 気分が落ち込みやすい
- 不安や孤独を感じやすい
- イライラや感情の波が大きくなる
- 集中力の低下、眠気が強くなる
東洋医学では、秋は「肺」と「悲しみ」に関係する季節といわれています。
乾燥や冷えで肺の調子が悪くなると、気持ちも不安定になりやすいのです。
また、疲れやすくなったり、胃腸の調子が悪くなったり、肌や喉が乾燥したりすることも多い時期です。
「ちょっとゆらぐのは当たり前」と、自分を受け入れることが、秋を穏やかに過ごすための第一歩です。
3.秋分の養生ポイント
~心と体のバランスをやさしく整える~
①陰陽のリズムを意識した暮らし
朝の陽の気を取り入れ、夜の陰の気に調和してゆっくり休む。
これが秋分以降の基本の過ごし方です。
- 朝はカーテンを開け、太陽の光を浴びて体内時計をリセット
- 夜はスマートフォンを手放し、照明を落として静かに過ごす
- 午後~夕方に軽い散歩をして「気の巡り」を促す。
「活動」と「休息」のバランスを見直し、陽(朝~昼)と陰(夕方~夜)を調和させる生活を心がけましょう。
②内観と調和で、心を整える
外に向かっていたエネルギーを自分自身の内側へと戻していく時期です。
- 日記や手帳で気持ちを整理をする
- 読書や瞑想など、静かな時間を意識的につくる
- 夜のひとときを丁寧に味わう
「何かをする」よりも、「感じる時間」を。
忙しさから少し距離を置き、‟自分の内側"と向き合うことで心の安定が生まれます。
③気分の揺らぎをやさしくケア
秋分の頃は、理由のない不安や落ち込みが出やすい時期。
五感を使ってリラックスする工夫を取り入れてみましょう。
- アロマやお香など、香りの力でリラックス
- 深呼吸やストレッチで呼吸を整える
- 自然にふれる時間(公園を散歩する、夕焼けを眺めるなど)
- 部屋を整え、心の中も整える
五感を通じて季節を感じることが「気」の巡りを助け、心の安らぎへとつながります。

4.秋分におすすめの食材&生活習慣
~内側から潤し、整える~
①おすすめ食材
- 百合根(ゆりね):上品な甘みとほくほくとした食感が特徴。
肺を潤し咳を鎮めるほか、不安やイライラなどの情緒の乱れにもやさしく働きかけます。
茶碗蒸しや煮物、スープなどに。 - ぶどう:体に潤いを与え、疲れを癒す果物。
ポリフェノールが血の巡りを整え、心も落ち着けてくれます。
そのままはもちろん、温めたブドウにシナモンをふりかける、少量のはちみつと一緒に煮て「コンポート」にするのもおすすめ。 - 豆腐:消化にやさしく、胃腸を労りながらたんばく質を補える食材。
体にこもった熱を和らげ、内臓を休ませながら、疲れを癒すサポートをしてくれます。
温やっこやスープ・味噌汁にすることで、体を冷やしすぎることなく、陰陽のバランスも整いやすくなります。 - はちみつ:肺や喉を潤し、乾燥による咳や肌荒れに効果的。
東洋医学では「潤肺・潤腸」の作用があるとされ、肺や腸の乾燥を同時にケアします。
温かいお湯に溶かして「はちみつ湯」にしたり、ハーブティーに加えたりするのもおすすめです。
疲れた日の夜のリラックスタイムにも良いです。

②おすすめ生活習慣
- 朝と夜の切り替えを意識する
朝は太陽の光を浴びて体内時計を整え、夜は照明やテレビ、スマートフォンなどの光を控えて照明もやわらかく。
静かな時間を過ごすことで、心と体が自然と「休みモード」に切り替わっていきます。
秋の夜長は、その切り替えをスムーズにしてくれる、最適な季節です。 - 深呼吸と軽い運動で巡りを良くする
朝の清々しい空気の中で散歩、ストレッチやヨガなど。
深い呼吸とともに体を動かすことで、血流と気の巡りが良くなります。
緊張をほぐし、心も穏やかに整えてくれる、手軽で効果的な養生法です。 - 季節を感じる時間を持つ
夕焼けを眺めたり、秋の草花を飾ったり、落ち葉を踏みしめて歩いたり。
旬の食材を味わうことも、季節を感じる大切なひとときです。
五感を通じて自然を感じることで、心と体が内側からゆるやかに整っていきます。 - 静かな時間をつくる
夜のひととき、テレビやスマートフォンを少しお休みして、温かいお茶を一杯。
秋の夜長は、自分を労わるのにぴったりの時間です。
心を鎮める習慣が眠りの質を高め、翌朝のすっきり感にもつながります。
5.おわりに
秋分は、自然界と私たちにとっての「陰陽の折り返し点」。
これまで外に向かっていたエネルギーを、ゆっくりと内側へ戻していくタイミングです。
無理に頑張りすぎなくて大丈夫。
一度立ち止まり、呼吸を整え、心の声に耳を傾ける時間を持ってみてください。
自然の流れにそっと身を委ねながら、心と体をやさしく整え、深まりゆく秋を静かに迎えていきましょう。

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