1.小雪(しょうせつ)とは?2025年11月22日~2025年12月6日

「小雪(しょうせつ)」は、暦の上で冬が本格的に深まり始める節気です。
北風がいっそう冷たくなり、日差しの暖かさが弱まり、空気が乾きやすくなる頃です。

「小さな雪」という名の通り、まだ本格的な大雪には至らないものの、地域によっては雪がちらつき、冬の気配が一段と濃くなっていきます。

木々が葉を落とし、動物たちも冬に備えてエネルギーを蓄えます。
私たちの体も同じように‟守りの季節"へと入っていき、乾燥や冷えの影響で、肺や呼吸器、肌の調子が崩れやすくなる時期でもあります。

空気が澄んで気持ちの良い日もありますが、季節の移り変わりが急激な現代では、体が変化に追いつかず、不調が現れやすくなるため、この時期こそ、「潤す」「温める」「呼吸を整える」を意識して整えることが大切です。

2.小雪に起こりやすい体の不調

①乾燥+冷えによって起こる呼吸器の弱り

秋の乾いた空気に加え、ぐっと冷え込むこの時期は、呼吸器への負担が大きくなります。
乾燥でのどや鼻の粘膜が弱り、冷えで血の巡りが悪くなることで、症状が長引きやすいのが特徴です。

  • 乾いた咳
  • のどのイガイガ
  • 鼻の乾燥、鼻づまり
  • 肌のカサつき
  • 声が枯れる
  • 呼吸が浅く、息苦しさを感じる

特に、朝晩の冷え込みは体に負担がかかり、咳が出やすくなったり、息苦しさを感じたりします。
また、乾燥によって気道が敏感になり、気温差や埃で咳が止まりにくくなることもあります。

②冷えによる巡りの滞り

深まる「冷え」は、血の巡りを鈍らせ、肩こり・頭痛・疲れやすさなど全身の不調を引き起こす原因になります。

末端が冷えると血液や栄養が行き届きにくくなり、ちょっとした作業でも疲れやすくなることもあります。
また、冷えで呼吸が浅くなると肺の働きが弱り、乾燥がさらに進むと悪循環になってしまいます。

  • 寝ている間に手足が冷えて目が覚める
  • 朝起きると肩や首がこわばっている

こうした不調も巡りの滞りが関係しています。

3.小雪の養生ポイント

①潤いを守る

小雪は乾燥と冷えが強まり、体の潤いが奪われやすくなる時期です。
のどや鼻の粘膜、肌の乾燥を防ぐためには、体内の潤いを守り・留めることが大切です。

潤いを保つことで、乾燥による咳や声枯れ、のどの違和感をやわらげ、呼吸器を守ることにつながります。

②冷えを取り、巡りをよくする

手足や下半身の冷えは、疲れやすさや肩こり、頭痛などの原因になります。
体をやさしく温めることで血流が整い、冷えによる不調を防ぎます。

巡りが良くなると、肺や内臓への酸素や栄養の巡りもスムーズに行き届き、冬に向けた体の基礎力を養う助けになります。

③呼吸を意識して整える

乾燥や冷えによって呼吸が浅くなりやすいこの時期は、呼吸そのものを整えることも大切です。
ゆったりとした深呼吸や腹式呼吸を意識することで肺の働きを助け、呼吸器にかかる負担をやわらげることができます。

呼吸を整えることは、体内の気や血の巡りを促し、全身の健康にもつながります。

4.小雪におすすめの食材&生活習慣

①おすすめの食材

  • 白菜:みずみずしい白い葉を持つ白菜は、乾燥で弱りやすい肺や呼吸器をやさしく潤してくれる食材です。
    加熱すると体を冷やしにくく、胃腸にも負担が少ないため、寒さが深まる小雪の頃に不足しがちな体の温かさと内側の潤いを同時に補ってくれます。

    蒸し煮やスープ、鍋の仕上げに加えて軽く火を通すと、シャキッとした食感を残しながら体に穏やかに行き渡る潤いを与えてくれます。
  • かぶ:白くやわらかな実は、乾いた空気でこわばりやすい肺やのどをしっとりと潤す働きがあり、小雪の時期に心強い食材です。
    また、やさしく消化を助けて胃腸の動きを整えてくれるため、冷えによって気力・体力が落ちやすいこの季節の内側からの温まりと回復に役立ちます。

    じっくりと蒸し煮にしたり、煮物・シチューに加えると甘みが増し、体の奥までほっとする温かさが広がります。
    葉も一緒に使うとビタミンやミネラルが補えるため、冬を迎える体づくりのサポート に最適です。
  • ごぼう:大地の力をたっぷり蓄えたごぼうは、冷えで滞りがちな血の巡りを温めて整えてくれる食材です。
    豊富な食物繊維は腸の働きを助け、冬に弱りやすい胃腸のケアにも役立つため、乾燥と冷えが重なる小雪の時期の体調管理に欠かせません。

    煮物や鍋で時間をかけて火を通すと甘みが引き立ち、鶏肉や魚と合わせれば体を芯から温める滋養スープになります。

②おすすめの生活習慣

●潤いを守る(加湿・保湿・水分補給)

冬は空気が乾燥しやすく、のどや鼻の粘膜、肌の潤いが失われやすい季節です。乾燥は咳や息苦しさ、声枯れの原因にもなるため、こまめに潤いを補うことが大切です。

<おすすめの工夫>

  • 加湿器や濡れタオルを活用して湿度を40~60%に保つ
  • 洗濯物を室内に干して自然に加湿する
  • 就寝中は枕もとに小型の加湿器を置く
  • 入浴後や就寝前に肌や唇を保湿する
  • 白湯や温かいハーブティーをこまめに摂る

このような工夫を取り入れることで、乾燥から体を守り、冬でも心地よく過ごせるようになります。

●末端と下半身をやさしく温める

足首・首・腰・お腹など、体の末端や下半身は冷えが溜まりやすい場所です。
ここが冷えると、全身がこわばりやすくなり、朝のだるさや疲れやすさ、肩まわりの重さが出やすくなります。

体を一気に強く温めるより、じんわりと続く温かさを保つことが、この季節の養生には効果的です。

<おすすめの工夫>

  • 靴下、腹巻、レッグウォーマーを活用して下半身を冷やさない
  • カイロを腰やお腹に当て、体の中心から温める
  • ぬるめのお湯での足湯で、体の芯までゆるやかに温める
  • 朝の足首回しや軽いストレッチで血の巡りを促す
  • 日中もこまめに動き、歩いたり伸ばしたりして、巡りを滞らせない

やさしく温める習慣を重ねていくことで、全身の巡りが整い、疲れや肩こりが生じにくい体へと導いてくれます。

呼吸を整える(深呼吸・腹式呼吸・肩甲骨まわりのストレッチ)

乾燥と冷えの影響で呼吸が浅くなりやすい小雪では、意識的に呼吸を整えることが養生の中心になります。

<おすすめの工夫>

  • 朝晩にゆっくりと深呼吸や腹式呼吸を行い、肺の働きをサポートする
  • 肩や胸、肩甲骨まわりを軽く動かして、呼吸の通り道を広げる
  • 深呼吸と瞑想を組み合わせて、心を落ち着ける
  • お腹や背中(特に肩甲骨の間)を蒸しタオルや湯たんぽで温める

体が温まると胸が開き、自然と呼吸が深くなります。
呼吸を意識して整えると、息苦しさや咳の軽減に役立ち、心身ともに穏やかに過ごしやすくなります。

5.おわりに

小説は、冬本番に向けて体が静かに変化していく大切な時期です。
乾燥や冷えを放っておくと不調につながりやすいからこそ、日々の小さなケアが体を守る大きな力になります。

無理をせず、自分のペースで「潤す」「温める」「呼吸を整える」を暮らしに取り入れ、やさしく整えながら冬を迎えましょう。

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