1.大雪とは(2025年12月7日~12月22日)

「大雪(たいせつ)」は、冬の本格的な寒さが始まる節気です。
日差しの力が弱まり、朝晩は吐く息が白くなるほど冷え込み、地域によっては雪が降り積もります。
空気の冷たさが肌だけでなく、体の奥までじわりと入り込んでくる時期です。

この頃の寒さは鋭く、深く、体を温める力である‟陽気"が消耗しやすくなります。
血流が滞り、筋肉や関節がこわばりやすいのも、この季節ならではの特徴です。

冬を元気に過ごすためには、冷えを体に入れず、陽気を守ることがとても大切になります。

2.大雪に起こりやすい体の不調

①冷えの侵入による陽気の弱り

外の冷気にさらされると血管が委縮し、筋肉がかたまりやすくなります。
その結果、

  • 手足・下半身の冷え
  • 腰や背中の重だるさ
  • 朝起きた時の体の硬さ
  • 胃腸の働きの低下
  • 疲れやすさ

などの症状が出やすくなります。

冷えが入り込むと、陽気が奪われ「温める力」「動く力」「巡る力」が弱まってしまします。

②巡りの滞りによるこわばり・だるさ

冷たい冷気に長く触れていると血の巡りが悪くなり、次のような症状が出やすくなります。

  • 肩こり・首の張り
  • 顔や手足の血色の悪さ
  • 体の芯のだるさ
  • 気持ちの落ち込み

巡りが滞ると冷えがさらに深まり、悪循環になってしまいます。
「なんとなく元気が出ない」も、この時期によくあるサインです。

3.大雪の養生ポイント

①陽気を守り、体を冷えから遠ざける

冷えが入り込みやすい「首・お腹・腰・足首」を重点的に温めましょう。
外出時だけでなく、室内でも薄着になりすぎず、冷えが入り込まないよう意識することが大切です。

陽気を守ることで、冷えによるだるさや疲れを溜めにくくし、冬の体力づくりにもつながります。

②やわらかく動いて巡りを整える

寒さでこわばりやすい体は、無理のないやわらかな動きでゆっくり解しましょう。
呼吸に合わせて軽く体を動かすだけでも、縮こまった筋肉がゆるみ、内側から温かさが戻ってきます。

やさしい動きを続けることで巡りが整い、冷えによるこわばりやだるさが和らぎ、冬の毎日が軽やかになります。

③心の緊張をゆるめ、内側から温かさを取り戻す

寒さが厳しくなる季節は体が縮こまりやすく、肩や背中に力が入り、心も緊張しやすくなります。
こうした心のこわばりは呼吸を浅くし、巡りを滞らせ、結果として体の冷えを深めていしまうため、冬は「心もゆるめること」も大切な養生の一つになります。

ほっとできる時間をつくり、ゆったり呼吸することで、体も心も自然とやわらぎます。

4.大切におすすめの食材&生活習慣

①おすすめの食材

  • 生姜:生姜は体を内側から温め、‟陽気”を支えてくれる食材です。辛味成分が巡りを促し、こわばった体をゆるめ、芯からじんわりと温かさを届けます。
    スープや煮物、味噌汁、生姜湯などに少量加えるだけで、温まり方がふんわり変わるのが特徴です。スープや煮物、味噌汁、生姜湯などに少量加えるだけで、温まり方がぐっと深まります。香りにも心をほっと落ち着かせる働きがあります。

    ただし温める力が強いため、摂り過ぎには注意が必要です。のどの乾燥やほてりにつながることがあるため、少量を目安に取り入れましょう。
  • 長ネギ:長ネギは寒さで滞りやすい「気・血」の流れを整え、体をふんわり温めてくれる冬の心強い味方です。白い部分には体表の巡りをよくし冷えを追い出す働きがあり、風の入り口である“首まわり”に緊張を感じるときにもぴったりです。

    甘みが増すこの季節は、焼きネギや鍋物、味噌汁など、火を通した調理が最適です。やわらかな香りが呼吸もほぐし、心身のこわばりをゆるめてくれます。
  • くるみ:くるみは体を深部から温め、冬に弱りやすい“腎”の働きを助けるとされる滋養食材です。寒さで疲れやすい、やる気が出にくい、腰まわりが冷えやすいといった不調に向いており、内側のエネルギーをじんわり補ってくれます。

    軽くローストしてそのまま食べるほか、炒め物やサラダ、温かいスープに加えるとコクと栄養がアップ。少量でも満足感があり、冬の体づくりに役立ちます。

②おすすめの生活習慣

♦冷えを寄せ付けない工夫

気温の低さだけでなく、外気の冷たさが体にまとわりつきやすくなります。
衣服のすき間や肌の露出している部分から、じわりと熱が奪われやすく、気づかないうちに体のあたたかさが逃げてしまいます。

特に首・肩回り・お腹・腰・足首は、ちょっとした冷気でも体がこわばりやすくなる場所です。
ここをしっかり守ることで、体の中心にあるあたたかさ(陽気)が保たれ、手足の巡りも整いやすくなります。

<おすすめの工夫>
  • 首・肩まわりはストールやマフラーで風を遮る
  • お腹や腰は、腹巻+長めのトップスで二十に守る
  • 仙骨(お尻の上)に貼るカイロを使い、体幹を温める
  • 足首は冷気が入りやすいため、丈の長いアウターや靴下で露出を減らす
  • 寝るときは湯たんぽを下腹部・腰の近くに置き、睡眠中の冷えの侵入を防ぐ

ただ温めるだけでなく、冷たい外気を体に触れさせない工夫が重要になります。

風や外気を避けるだけで、体がほっとゆるみ、朝のこわばりや疲れやすさも出にくくなります。

♦やさしく温めて巡りを保つ

一気に熱を入れるよりも、じんわり温めて巡りを途切れさせないことが大切です。

<おすすめの工夫>
  • 40℃前後のお湯にゆっくり浸かり、深部を温める
  • 足湯で下半身から巡りを促す
  • 朝起きたら、肩回し・足首回し・軽いストレッチで体を目覚めさせる
  • 日中は1時間に1回、立つ・歩く・伸びるをして巡りを停滞させない
  • 筋肉を冷やさないため、暖房の風が直接当たらないようにする

巡りが良くなると、冷えによる肩こりや腰の張り、だるさが軽減し、気持ちもふわっとゆるみやすくなります。

♦心と呼吸をゆるめる

深い冷えは体も心も知らず知らずのうちに固まりやすくなります。
肩や背中がこわばり、胸やお腹も縮こまると、呼吸は浅くなり、心まで緊張しがちです。

この状態をやさしくほぐすためには、まず温めることがポイントです。
お腹や腰、背中を中心にじんわり温めることで、体の深部がゆるみ、自然と呼吸も深まります。

<おすすめの工夫>
  • 胸や背中(肩甲骨の間)に蒸しタオルや湯たんぽを当てて、体の中心から温める
  • 寝る前や休憩時に、肩や腰の力を抜いてゆったり呼吸する
  • 軽く背伸びや肩甲骨まわりをほぐす動作で、胸まわりに空間をつくる

こうして体が温まり、心もゆるむと、呼吸は自然と深くなっていきます。
深まった呼吸は、血の巡りや陽気の流れを助け、冷えから身を守る力にもつながります。

5.おわりに

大雪は、冬の冷えがぐっと深まり、体も心もこわばりやすくなる節目です。
表面の寒さだけでなく、内側まで入り込む冷えを防ぐためには、日々の小さな「守る・温める・ゆるめる」が大きな支えとなります。

首やお腹を温める、巡りを整える、深い呼吸を取り戻す。
そんな習慣が、陽気をしっかり守り、冬を軽やかに過ごす力につながります。

深まる季節の中で、自分の体と心をそっといたわりながら、あたたかく冬を重ねていきましょう。

ご予約について

完全予約制となっております。
ご予約は店舗へのお電話、またはご予約受付にて承っております。
お問い合わせメールの場合、返信にお時間をいただく場合がございます。
お急ぎの場合はお電話がおすすめです。
ご予約受付

ご相談について

漢方相談では、今のお体の状態や気になる症状について、丁寧にお話をお伺いします。
落ち着いた相談スペースで、リラックスしてご相談いただけますので、初めての方もご安心ください。
体質やお悩みに合わせて、ぴったりの漢方薬をご提案いたします。 ご相談時間はお一人30分くらいです。
松山漢方相談薬局HP

店舗情報

松山漢方相談薬局 横浜桜木町店

  • 営業時間:10:00~20:00
  • 定休日:第2木曜日
  • TEL:045-341-4823
  • 〒231-0063
    神奈川県横浜市中区花咲町1丁目19-3
    セルアージュ横濱桜木町ヴァルール101号室

松山漢方相談薬局 鶴見店

  • 営業時間:10:00〜20:00
  • 定休日:第2木曜日
  • TEL:045-718-6801
  • 住所:〒230-0062
    神奈川県横浜市鶴見区豊岡町2-2
    鶴見フーガII 3階