12月に入って、本格的に冬を感じるようになりましたね。
体の芯から冷えを感じている人も多いのではないでしょうか。
暑い季節とはまたちがった不調に悩まされている人のお悩みも増えています。
今回は、この時期(冬)に増え始めるからだのトラブルを東洋医学から読み解いていきましょう。
東洋医学で「冬」とは
五臓を知ろう
五臓六腑という言葉をどこかで聞いたことがあるでしょうか?
美味しいものを食べた・飲んだときに『五臓六腑にしみわたる~』なんていいますよね。
東洋医学では、この五臓六腑というワードが重要となります。
東洋医学では自然界のすべてのものは5つの要素から成り立っていると考えます。(五行論)
木・火・土・金・水
そして、それらが互いに高めたり弱めたりすることで自然界の生命活動が営まれるといわれています。
「木は燃料となり火を生む」、「火は燃え尽きると灰土となる」、「土の中から金属が生まれる」、「金属のあるところに水がある」、「水は木を育てる」:高める、助ける、相生(そうせい)の関係
「木は土の養分を奪う」、「土は水をせき止め吸収する」、「水は火を消す」、「火は金属を溶かす」、「金属(刃)は木を切る」:弱める、打ち勝つ、相剋(そうこく)の関係
五臓は、五行論に人間のからだ(臓器、器官など)やこころ(情緒、感情など)の機能などをあてはめたものをいいます。
肝・心・脾・肺・腎
五臓だけでなく、季節、色、味などを分類しまとめたものが下の図です。

五臓「腎」と冬
冬の季節は、五臓の『腎』と最も関係が深いといわれています。
腎は「精」といって、血液やホルモンなど(物質)のもとになるものを貯蔵しています。
この腎精は成長や発育・老化に関わり、いわば生命の土台です。
また、目に見えない「気(エネルギー)」も腎には必要で、これを腎気と呼びます。
一般的に、20代~30代あたりで腎気はピークを迎え、その後は加齢とともに衰えてしまいます。
腎は、冬に最も負担がかかってしまいます。
そのため、冬に腎を酷使することは生命の土台を傷つけてしまうともいえます。
腎の酷使とは?それによってどんなことが起こるのか?
ここからみていきましょう。
冬は『腎』に負担がかかる季節
腎は寒さを嫌う
冬の寒さによってからだは冷えやすくなります。
手先足先だけでなく、胃腸も冷えてしまうと消化機能にも影響を与えてしまいます。
からだは一定の体温を保つためにエネルギーを作り出そうとします。そのためにお腹が空き、エネルギーを補給したくなりますよね。
胃腸が冷えて働きがじゅうぶんでない状態でたくさん食事を取り込んでしまうと胃腸にはかなり負担が大きくなってしまいます。冷えている場合には温めながら、少量ずつよく噛んで食事をしましょう。
からだ全体でみても冷えは血流の滞りの原因となります。
東洋医学で血流の停滞を「瘀血(おけつ)」といい、これは痛みの大きな要因にもなります。
そのため冬場になると古傷が痛んだり、下半身の痛みが出てきたりすることが多くなります。
腎が担う水分調節機能
私たちのからだに不可欠な水は、「潤す」機能、「下へ向かう」特徴を持ちます。
腎臓や膀胱は古くなったまたは余分な水分を尿として排出するのに関わります。不要な水分が排出されることで、新しい水分が必要なところに満たされます。
水は、たとえ温かい状態で体内に入れても所詮水です。

中国の哲学には「この世に存在するすべての物事は“陰”と“陽”の2つに分けられる」という陰陽論の考え方があります。
たとえば、
(陰・陽)冬・夏 暗い・明るい 冷たい・熱い 水・火など
水は陰性であり、からだを冷やす特徴があるとイメージできます。
腎の機能が衰えてくると、頻尿や尿漏れなど、排尿トラブルが起こりやすくなります。
特に冬は寒いと膀胱(尿を溜めるところ)が縮んでしまい、あたたかいときに比べると溜めておける尿量が少なくなりがちです。これは高齢者だけでなく子どもや若い人たちにもいえます。
トイレが近い、いわゆる「頻尿」だけでなく、尿を出したくてもうまく排出できないケースもあります。
この場合は不要な水分がからだにたまってしまい、冷えの原因にもなってしまいます。冷えが血流の悪化にもつながりやすいため、さまざまな不調を起こしかねません。
冬はエネルギー温存&省エネモードに
冬は陰のエネルギーが旺盛になり、陽のエネルギーが小さくなります。
冬は「閉蔵」の季節といわれ、陰と陽のバランスを保つために陽のエネルギーを外に逃がさないように、内に閉じ込めるように働きます。
前述の「腎の酷使」が、エネルギーを使いすぎてしまうことだとイメージしてください。
エネルギーの消耗が激しくなる原因としては、夜更かしや睡眠不足など生活習慣の乱れ、過度な性交渉などがあげられます。
活動しているときは少なからずエネルギーが必要です。そのため、なるべく早く寝て睡眠時間を確保しエネルギーを温存することが冬は特に大事な養生だといえます。
冬特有の感情・メンタルへの影響
からだがエネルギーを温存しようとするのが寒い冬の特徴であるとお話しました。
このエネルギーは感情ともつながり、陰陽のバランスをこわして陰のエネルギーが強くなってしまった場合、落ち込みやすくなったり意欲が低下してしまったりする傾向があります。
また、秋冬の時期は日照時間が短くなり外が暗い時間が増えますよね。それもメンタルが不安定になる原因のひとつになると考えられます。
また、五行論では腎と関係の深い感情として、「驚」や「恐」があります。これは、過度な驚きや恐怖は腎を傷めてしまうということです。お化け屋敷然り、恐怖やびっくりさせられるような映画や漫画などはあまり冬向きではないかもしれませんね。

エネルギーを溜め込むことで起こる不調も
冬に旺盛になる陰のエネルギーと、それとバランスをとるための陽のエネルギーを蓄えることが重要だとお話しました。
しかし、蓄える力+寒さによって皮膚が縮こまり、余分な熱(陽のエネルギー)を外に放出できないことで起こる不調も考えられます。
喘息や喉の痛み、蕁麻疹、咳などの症状が秋冬の時期に現れるまたは悪化することがあります。
ウイルスや細菌性であれば抗生剤・抗ウイルス剤などで短期間のうちに寛解しそうですが、そうでないのに症状が長期化している方もこの時期多く見受けられます。
この場合は陰陽のエネルギーバランスをうまくとること、それから皮膚のこわばりを緩めてあげることが大切ですね。
日常生活では
・特に冷えやすい3つの首(首・手首・足首)や下半身を温める
・お風呂にゆっくり浸かり芯からからだを温める
・温まったらからだをほぐす
・皮膚を緩めるために外側からの保湿も行う
など、積極的に取り入れながらからだをいたわって過ごしていきましょう。
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