デリケートゾーンのかゆみは多くの女性が経験している
デリケートゾーンのかゆみは、とても相談しくい悩みですが、実は女性のほとんどの方が、生涯で一度は経験すると言われています。
ドラッグストアで塗り薬を買ってすぐ良くなる方もいれば、
「またかゆくなった・・・」
「病院に行って治ったのに、数か月後に再発した」
そんな経験を繰り返している方も少なくありません。
一般的に多い原因としては、
- カンジタ膣炎
- 接触性皮膚炎(下着・ナプキン・洗浄剤など)
- 年齢とともに現れやすい萎縮性膣炎
などが挙げられます。
これらは西洋医学的にとても大切な視点です。

実はやりがち。デリケートゾーンのかゆみを悪化させるNG習慣
「清潔にしないといけない」と思うあまり、実はかゆみを悪化させてしまっているケースも少なくありません。
たとえば、
- デリケートゾーン専用ではないボディソープで毎日洗う
- ゴシゴシ強くこする
- においが気になって1日何度も洗う
これらは一見よさそうに見えますが、必要な潤いまで奪ってしまい、乾燥や刺激を招く原因になります。
特に、
- かゆみが長引いている
- 夜になるとムズムズする
- ヒリヒリした違和感がある
こうした場合は、外からの刺激を減らすことも大切な養生です。
これだけでかゆみが改善する場合もあり、とても大切なセルフケアです。
それでも
- 何度も繰り返す
- 薬をやめると再発する
- 原因がはっきりしない
そんな場合は、体の内側に目を向けてみましょう。
市販薬や病院の薬で治っても、また繰り返すのはなぜ?
「薬を使えば一旦よくなる」
それなのに、しばらくするとまた同じ症状が出てくる・・・。
これは決して珍しいことではありません。
西洋医学の治療は、今出ている症状を抑えることが得意です。
一方で、漢方では、なぜその症状が出やすい状態になっているのか、という体の土台を見ていきます。
たとえば、
- 湿が溜まりやすい体質なのか
- 熱がこもりやすいのか
- 乾燥しやすい状態なのか
この見極めをせずにいると、環境や体調の変化をきっかけに再発しやすくなります。
「治らない」のではなく、”整えきれていない”だけというケースも多いのです。
陰部がかゆくなる人、ならない人の違いは?また繰り返しやすい人の特徴は?
漢方では、デリケートゾーンのかゆみは「湿(体のいらない水分)」と「熱(炎症・ほてり)」、そして「乾燥」のバランスが大きく関係すると考えます。
①湿熱(しつねつ)タイプ
湿熱とは、体に溜まった余分な水分と熱がくっついてしまった状態です。
このタイプは
- おりものが多い
- おりもののにおいが強い、悪臭がする
- 蒸れやすい
- かゆみが強い
といった特徴があります。
湿熱は一度取りつかれてしまうと排出しにくいので注意が必要です。
10代~30代で何度も繰り返す方はこのタイプが多い傾向です。
②年齢による乾燥タイプ
40代以降に増えてくるのが、乾燥によるかゆみです。
漢方では、年齢とともに「腎(じん)」という臓腑の力が徐々に低下すると考えます。
腎は、成長・老化・ホルモンバランス・体の潤いに深く関わっています。
生殖器と密接な関係にあるため、デリケートゾーンのかゆみも年齢と大きく関係しています。
年齢とともにどうしても腎は弱ってしまいます。
腎が弱ると・・・
- 体の水分量が低下していまう
- 膣を十分に潤せない
- 乾燥して刺激に弱くなる
その結果、かゆみが起こりやすくなるのです。
漢方の視点で考える、デリケートゾーンのかゆみの原因となる生活習慣
①食事・おやつ・飲み物・お酒
アレルギーがなくても、食べ物がかゆみを引き起こしてしまうことがあります。
甘いお菓子やジュース、脂っこい食事、冷たい飲み物の摂りすぎは体に「湿」をためやすくします。
湿が増えるとムレやすくなり、そこに熱が加わることで、かゆみが起こりやすくなります。
「疲れている時ほど甘いものがほしくなる」
そんな時ほど、体は湿熱を溜め込みやすい状態です。

②ストレス
ストレスは目に見えませんが、体に大きな影響を与えます。
漢方では、ストレスで胃腸の働きが弱った結果、体は浮腫みやすくなると考えます。
たとえば、暴飲暴食のあとに体が浮腫むのも同じ仕組みです。
この現象は、実は長期にわたる強いストレスでも起こります。
ストレス→胃腸が弱る→水分代謝が乱れる→湿が溜まる→かゆみが出やすくなる
という流れが、体の中で静かに進んでいることも少なくありません。
③寝不足
寝不足は「腎」を消耗させます。
短期間なら問題なくても、慢性的な寝不足が続くと、体の水分保持力が低下し、乾燥しやすい体へと傾いていきます。
逆によく寝ると肌の調子が良くなりますよね。これは肌だけでなく、体全体にいえることです。
しかし、寝不足に気付かずに過ごしている方も多く、意外とケアが難しいですよね。
漢方では、白髪が腎が弱っているサインとされています。
仕事や家事に追われて、睡眠が疎かになっている方に多い傾向です。
20代・30代から白髪が増えてきた方は、一度睡眠を見直してみるのも大切な養生です。
相談しにくいけど、放置は禁物
「また病院に行かなきゃ・・・」
「恥ずかしくて、誰にも相談できない」
そんな気持ちを抱えながら、同じ悩みを繰り返す方は少なくありません。
特にデリケートゾーンのトラブルは、
体調・ホルモン・生活習慣の影響を受けやすい部分です。
漢方は、今出ている症状だけでなく、「なぜこの症状が出やすい体になっているのか」を一緒に考えます。
今までと違う視点を取り入れることで、体の変化に気付けることがあります。
「こんなこと関係あるのかな?」
そう思うような小さなヒントが、体質改善の大きな糸口になることもあります。
ひとりで悩まず、一度、原因から一緒に考えてみませんか?
あなたの体には、ちゃんと理由があります。

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