色々試したけど、うまくいかない方へ
母乳は、通常であれば出産の3~5日ごろから出始めます。
ただし、最初からたくさん出るわけではなく、赤ちゃんが吸う刺激に合わせて少しずつ量が増えていき、時期によって成分も変化していくものです。
ネットや育児書には、
- とにかく根気よく吸わせましょう
- 水分をたくさんとりましょう
- 生活習慣を整えましょう
- 個人差があります
など、いろいろなアドバイスであふれています。
それでも実際には、「がんばって授乳しているのに量が増えない」「赤ちゃんが泣いてばかりで不安になる」「ミルクを足すたびに落ち込んでしまう」
と悩んでいるお母さんはとても多いのが現実です。
”母乳不足”とひとことで言っても、その背景は人それぞれ。体の状態や生活リズム、心の疲れなど、さまざまな要因が関わっています。
現代医学では「母乳は血液から作られる」と考えられています。
一方漢方医学では、「母乳を作るうえで大切なのは血だけでなく、「気(エネルギー)」も重要」であると考えられています。
この「気(エネルギー)」がしっかり働いてこそ、血や水分がうまく巡り、母乳として分泌されるのです。
つまり、母乳が出にくい時は”体全体のエネルギーの流れが弱っているサイン”かもしれません。
ここからは、漢方医学の視点で母乳不足の原因をわかりやすく紐解いていきましょう。

漢方医学で考える、母乳が少なくなる原因
漢方では、母乳不足のタイプを大きく3つに分けて考えます。
①体が疲れているタイプ
産後は想像以上に体力を消耗します。
- 出産のダメージ
- 慣れない育児
- 夜中の授乳
- 睡眠不足
これらが重なることで、体のエネルギーがどんどん不足していきます。
このタイプの特徴は、
- 母乳が少ない、またはほとんど出ない
- 母乳がサラサラして薄い
- 疲れやすい
- めまいや立ち眩みがある
などです。
体が疲れ切っていると、母乳を作るための”材料”そのものが足りなくなります。
まずはお母さん自身のエネルギー補給が最優先になります。
②ストレスが強いタイプ
「気」はストレスの影響をとても受けやすいものです。
育児の不安、プレッシャー、家庭関係、環境の変化・・・・
こうした心の不安が強いと、体の巡りが滞ってしまいます。
このタイプの特徴は、
- 母乳が出にくい
- 乳房が張って痛む
- 粘り気の強い母乳
- イライラしやすい
- 胸や脇が張る感じ
などです。
母乳を作る力はあっても、ストレスによって”流れがブロックされている状態”です。
まるでホースがねじれて水が出にくくなっているようなイメージです。
③胃腸が弱っていて、水毒になっている
漢方医学では、水分代謝が担当しているのは「胃腸」だと考えます。
胃腸が弱い方は、水分をうまく巡らせる力が不足しやすく、いわゆる「水毒」という、汚れた水が体に溜まって悪さする状態になりやすいです。
このタイプの特徴は、
- 授乳の後半に出てくる「後乳」が不足しやすい
- 乳房が大きく垂れやすく、張りがない
- 浮腫みやすい
- 便がゆるくなりやすい
- 胃もたれしやすい
不思議なことに、胃腸が弱いのに食欲はある、という方も多いです。
特に甘いものや揚げ物、ジャンクフードが好きな方は、このタイプが多いので注意しましょう。
この水毒の原因は、こういった食べ物から生まれる水分が原因であることがとても多いです。
体が疲れていたり、エネルギー不足に陥るとこういったハイカロリーなものを食べたくなります。
すると、この大量のカロリーを胃腸が処理しきれず弱ってしまい、その処理しきれなかったゴミが”水毒”として体の中で悪さをします。
この悪さの仕方はその人の体それぞれですが、その1つとして母乳が出にくい、という不調が考えられます。
「胃腸が弱い=母乳が出ない」というわけではありません。胃腸を元気に整えてあげることで、母乳の出は十分に改善できます。

母乳がスムーズに出るようにするために気を付けたい生活習慣
漢方では、薬だけでなく日々の養生がとても大切です。今日からできるポイントをお伝えします。
①疲れをためない
一番大切なのは”お母さんが元気でいること”。
- 家事は完璧にしない
- 赤ちゃんと一緒に昼寝する
- できるだけ周りに頼る
「がんばりすぎない」ことが、実は一番母乳対策です。
②食べられるものを食べられるだけ
産後は無理な食事制限は禁物。
豪華な食事ではなくて大丈夫です。温かくて消化の良いものを、無理のない量でとりましょう。
おかゆ、味噌汁、煮物、スープなどは胃腸にやさしくおすすめです。
カゼを引いてなくても、体調が良くても、朝はおかゆにしてみると胃腸の負担が少なく、1日のはじまりを迎えられますよ。

③適度にストレスを発散する
ストレスは母乳の大敵。
- 好きな音楽を聴く
- 短時間でも外の空気を吸う
- 誰かに気持ちを話す
- 歌う
- 散歩する
ほんの少しの気分転換でも、体の巡りは大きく変わります。
1分だけでも構いません、ストレス発散の時間を設けましょう。
④胃腸をいたわる食事を心がける
次のような食べ物は、胃腸に負担をかけやすいので控えめに
- 甘いお菓子
- 揚げ物
- ジャンクフード
- 味の濃いもの
- 冷たいもの(冷蔵庫で冷えているもの)
これらは母乳の質にも影響しやすいので注意が必要です。特に冷たいものには注意しましょう。冷蔵庫から取り出したらすぐには食べずに、5分ほど常温に戻すと、冷たさを緩和できますよ。
漢方で体を整えよう
母乳不足は体の不調のサインの1つです。
漢方では、
- 体力を補う
- エネルギーの巡りを良くする
- 胃腸の働きを整える
といった方法で、お母さんの体を根本からサポートします。
母乳は気持ちの問題でも、努力不足でもありません。
今のあなたの体が、疲れている、調子を崩している、と考えましょう。
ひとりで悩まず、まずはご相談ください。
あなたにあったやさしい方法を、一緒に見つけていきましょう。
母乳育児が、お母さんにとってつらい時間ではなく、やさしい幸せな時間になりますように。
どうぞお気軽にご相談ください。

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