ゴールデンウィーク明けに不調が出ることを、日本では「五月病」と呼びますね。
新年度から環境や生活スタイルの変化があると、その疲れが出てくる頃かもしれません。
連休があると、からだや気持ちのオンオフが激しくもなりますね。
また、気候の変化が大きい時期でもあります。
今回はいわゆる五月病と呼ばれる、この時期のからだやこころの不調について、東洋医学のアプローチもふまえてお話していきます。

五月病って?
5月の連休明けにからだやこころの不調が生じることをいいますが、病名として「五月病」というものはありません。
そのため、病院での診断は「うつ病」や「適応障害」であることが多いといいます。
いずれも生活の中の変化がストレスになり、不調を引き起こす原因となっていると考えられます。
五月病、東洋医学の視点では?
東洋医学にも「五月病」という考え方はもともとありませんが、五臓や季節との関係をふまえながらみていきましょう。

土用といえば丑の日。実は「春の土用」も
2025年5月5日は「立夏」という節目の日です。🍉
これは太陽の動きに合わせて1年を24等分した「二十四節季」のうちのひとつです。「春分の日」や「秋分の日」と同じ季節の分かれ目のことです。
立夏は夏の始まりともいわれています。
五臓の「脾」に注目しましょう。

そこにある「土用」は、夏が始まる立夏までの18日間(4/16~5/4)のことをいいます。(春の土用)
ちなみに立秋、立春、立冬も同じようにそれぞれ土用があります。
つまり、この土用の時期は『脾』のトラブルに要注意です。
「脾」とからだの不調
五臓の「脾」にはどんな機能があるか、知っていますか?
・『運化をつかさどる』・・・食べたものを消化・吸収し、栄養物や水分を運ぶ
・『統血する』・・・血管を正常に保つ、止血因子を生成・供給する
・『四肢・肌肉をつかさどる』・・・筋肉を栄養する
・『口に開竅する』・・・味覚・食欲にかかわる
イメージとして、『食べたものからエネルギー(陽気)をつくること』が最大のポイントです。
この「脾」が弱ってしまう状態を『脾虚(ひきょ)』といいます。
エネルギー不足の状態では、どんな症状が出てくるでしょうか。
・朝スッキリ起きられない
・日中のだるさ
・疲れやすい
・低血圧
・食欲不振
・口内炎
・便秘や下痢
・あざができやすい、出血しやすい
・痔
これらが起こりやすい症状です。
下痢や便秘、お腹の不調などの消化器症状が出てくると自覚しやすいですが、だるさや疲れやすさなど「なんとなく」調子が悪い状態だとからだにストップをかけにくいという方は多いでしょう。
しかし、『疲労』は『痛み』、『発熱』と並ぶからだからのSOSサインです。
慢性化してからだが壊れてしまってからでは手遅れです。
自分のからだは自分がいちばんよくわかっているはず・・・
だからこそ、自分のからだにはやさしく、いたわってあげましょう。
自律神経と五月病
五臓の中でストレスの影響を特に受けやすいのが「脾(胃)」と「肝(胆)」です。
ストレスで胃が痛い・・・なんてことも経験したことがある人もいるのではないでしょうか。
『肝』は血液によるからだの「調節」を担います。自律神経にも深く関わります。
肝が失調すると・・・?
血虚
肝の血液が不足していることを「血虚」といいます。
血虚の状態ではストレスに対抗できない、ストレスに弱くなってしまっているイメージです。
また、自律神経のうち交感神経が優位になりづらい状態であるともいえます。
落ち込みやすくなってしまったり、趣味に興味が持てなくなってしまったり、集中力や判断力が落ちてしまったりなど、脳の機能低下を伴うような症状が出やすくなります。
血虚の治療には、血液をつくるエネルギー+血液の材料+肝の機能改善 が必要です。

肝気の高まり
また、ストレスを受けてそれをからだに溜め込んでしまうような状態を「肝気の高まり」という風にいいます。
気=エネルギーだと考えてください。
エネルギーはからだに必要ですが、それが全身にまんべんなく流れているのが理想の状態です。
肝気が高まるというのは、エネルギーが肝に集中しているような状態です。
血虚とは反対に交感神経が優位になりやすく、イライラやほてり、血圧の上昇、寝つきに影響しやすいです。
この場合はエネルギーの発散が必要です。
五臓の相生(他を助ける)・相剋(打ち勝つ、害する)の関係から、肝が失調してしまうと肝は脾を障害してしまいます。
そのため、自律神経が乱れると消化機能や食欲が不安定になりやすくなります。
ストレスを回避することは現実的でない人も多いでしょうから、内側からのケアができるといいですね。

さいごに
もしこれを読んで「わたしは血虚だ」と思っても、脾虚が隠れていたり、それ以外にも五臓のバランスを崩す要因が潜んでいたりするかもしれません。
松山漢方相談薬局では、「漢方薬」「生薬」「栄養素」を用いて
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