気象病でつらいあなたへ。湿気や低気圧に負けないからだに！

ゴールデンウィークも終わり、だんだん夏の予感がしてきますね。

しかしその前に、梅雨シーズンがやってきそうです。

雨だとなんとなく気が重い、外出したくない、そう感じる人は多いでしょう。

それに加えてご自身の不調が天気に大きく左右されてしまう人も少なくないのです。

「頭痛がひどいからもうすぐ雨だ」

「雨の日は胃の調子が悪くなる」

「低気圧で頭痛がする・・・」

「寒暖差が大きいと風邪を引きやすい」

これらは『気象病』や『天気痛』と呼ばれ、気温や気圧などの気候の変化によってさまざまな症状が引き起こされることをいいます。

今回は、気象病について東洋医学の側面からみていきましょう。

また、これからの梅雨～夏の時期に知っておいてもらいたい食事法についてもお話していきます。

気象病で悩むあなたへ

なぜ気圧の変化で頭痛がするの？

わたしたちのからだは、常に大気からの圧力（＝気圧）を受けています。

例えば水の中での水圧はイメージしやすいかもしれませんが、ほとんどの人は普段気圧を実感することはあまりないでしょう。

気圧を実感することがないのは、気圧に負けないように体の内側から外側へ圧力がかかっているからなのです。

しかし、急に気圧が下がると外からの圧力が低下します。

そうすると体の内から外への圧力が大きい状態になります。

その結果、頭痛やめまいなどの症状が起こります。

また、気圧の低下によって血液中の水分が血管の外に押し出されるとむくみが起こります。

それが神経を圧迫すると頭痛などの原因にもなります。

寒暖差が自律神経を乱す？

急激な気温の変化にからだが追いつかない・・・という人はたくさんいるでしょう。

特に気温が急に下がると交感神経が優位になり、血管が収縮し血行不良になりやすくなります。

首や肩の凝り、耳鳴りやめまいの症状が起きることもあります。

まだ完全に暑くなっていないうちは朝晩と日中の気温の差に対応できるように、羽織ものを一枚持っておくといいかもしれませんね。

気象病と『脾』の深い関わり

東洋医学では、気象病の原因は「気の不足」すなわち『脾虚』が大きく影響すると考えます。

「脾」では消化吸収、栄養素の輸送や水分代謝が行われます。

「脾虚」でみられる症状には、

・めまい

・低血圧

・午前中のだるさ

・食欲不振

・口臭や口内炎

・便秘、下痢

・出血しやすい、あざができやすい

・痔

・内臓下垂

などさまざまです。

また、「脾」は「胃」と深い関わりがあります。

そのため、脾虚があると胃の不調も起こりやすくなり、消化不良や食欲不振につながることも多いです。

つまり、東洋医学では気象病の原因は「気の不足」により脾の水分代謝が低下し、からだ全体の水のバランスが悪くなったことだと考えられます。

梅雨時期の不調な原因は『水毒』かも

東洋医学では、わたしたちのからだは物質である『水』、『津液』、『血』からできていると考えます。

このうち「水」の巡りが悪くなってからだに停滞し悪さをする状態を「水毒」といいます。

水毒によって引き起こされる症状には、めまいや頭痛、耳鳴り、吐き気や胃の不快感、消化不良、むくみなどさまざまです。

これらの症状は、からだのどの部分に水が停滞しているかによって変わってきます。

逆に、一見関係なさそうな頭痛と胃の不調が、どちらも水毒が原因だということが東洋医学ではよくあります。

梅雨の時期は湿度が高く過ごしにくいですよね。

この過剰な湿気を東洋医学では『湿邪』と呼び、水毒をさらに悪化させる要因だと考えます。

そのため、水毒による不調は梅雨の時期に特につらくなりやすいといわれています。

梅雨・夏を乗り切る過ごし方

冷房の効いた部屋で飲むキンキンに冷やしたビールにお風呂上りのアイス・・・夏は格別に美味しい気がしますよね。

からだに熱がこもってしまったら熱を冷ます必要がありますが、そうでなければ夏だからといって闇雲に冷やすのはよくありません。

からだを冷やすことが日課になることで冷えが不調を招きかねません。

夏は長いです。

東洋医学の考え方を知って実践し、からだにやさしい習慣を身につけていきましょう！

「脾」と味覚

五臓の「脾」は、味では「甘」と深い関係にあります。

「甘いもの」、きっとお好きな人が多いでしょう。

太る原因になる・・・と思いながらも、やめられない人も多いでしょう。

『甘味』には細胞を緩ませる作用があるといわれています。

これは、わたしたちのからだの中では糖質1ｇにつき3～4ｇの水を抱えることから、細胞が水を含んで膨張したるんでしまうという考え方です。

糖質制限ダイエットの経験がある人はご存じかもしれませんが、ほんの数日で体重が2～3キロ落ちることが多いといいます。

しかしそのほとんどは、脂肪燃焼よりも糖質を控えたことにより水が抜けたと考えられます。

また、塩分もむくみの原因になると聞いたことがあるでしょう。

からだの塩分濃度は0.9％に保たれています。（0.9ｇの塩に対し水100ｍL）

食事により塩が10ｇ出入りすると１ｋｇ以上の水が動きます。

つまり、たった１日でも体重の増減が激しい場合はからだの水分量の変化が大きいということです。

よく言う「水太り」は単に水をたくさんとっているから起きているのではなく、食事の見直しが必要だということですね。

また、五臓の関係をみると「脾」と相剋（弱める）の関係にあるのが「腎」です。

甘いもの（糖）を摂りすぎると糖尿病のリスクが上がるというのは皆さんご存じかと思います。

その糖尿病の合併症として障害されやすいのが、【神経】【目】【腎臓】です。

五臓の関係ともつながるように、腎に負担がかかります。

東洋医学で腎は、内分泌系（ホルモン）や水分調節にかかわります。

脾も水分代謝を担いますが、腎ではろ過や再吸収などを行います。

甘いものの食べすぎは、目に見える体重増加だけでなく知らないうちにからだの機能を壊していく可能性が非常に高いです。

決して食べるのが悪いわけではありません。

「食べすぎちゃっているかも・・・？」と思うならば過剰摂取にならないように気を付けていくことが大切です。

甘味は『陰』性の食べ物

東洋医学は物事を2つに分けて考える陰陽論をだいじにしています。

食べ物に陰陽論をあてはめて考えてみましょう。

　🔥陽・・・肉、魚、卵など動物性の食品、塩、味噌、醤油

　💧陰・・・野菜、果物、砂糖や甘味料、油、アルコール

ただし、陰性のものでも火を使って調理することで陽性になります。

陰だから悪い、陽だから良いなどという問題ではありません。

それぞれの性質の食品をバランスよく摂ることが大切です。

内臓の理想的な温度は37～38℃といわれています。

暑い夏でもずっとアイスコーヒーばっかり飲んでいないで、涼しいところでは常温やあたたかいものを飲むなど、できる限り内臓を冷やさないという意識が大切ですね。

梅雨・夏を乗り切る東洋医学でのアプローチ

これからの時期、湿気が増えてくることが「脾」にとってあまり好ましくない環境です。

脾虚やそれに伴う水のめぐりが悪くなることによる不調がこれから出てくる人も多いでしょう。

そういったバランスをもとに戻していくのは漢方薬が得意なことです。

また、本格的に夏になると五臓の「心」に負担がかかりやすく、失調しやすくなります。

一般的にも夏バテや熱中症などの夏特有のトラブルが増えてくるかと思います。

「心」は「脾」の親でもありますので、心が失調することにより脾も自然と弱りやすくなり、それによって食欲不振やめまい、気力の低下などの不調も出やすくなります。

東洋医学では季節に応じたからだの変化にも対応できます。

不調が起こってからの治療だけでなく、体質に合わせて予防することも可能です。

松山漢方相談薬局では、「漢方薬」「生薬」「栄養素」を用いて

おひとりおひとりの身体にあった方法をプランニングし、

オーダーメイド治療をすることで健康をサポートいたします。

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