1.夏至とは(2025年6月21日)

夏至(げし)とは、二十四節気の一つで、一年のうちで最も昼の時間が長くなる日(北半球)を指します。
日本では、毎年6月20日か21日に訪れます。

夏至は、太陽のエネルギーが最も高まる時期ですが、同時に梅雨の季節でもあります。梅雨の高い湿度と、夏至の強い日差しが重なることで、体内の熱と湿気のバランスが崩れ、「湿熱(しつねつ)」が溜まりやすくなります。
この「湿熱」は、私たちの体にさまざまな影響を与えるため、夏至の時期には「湿熱」のケアが大切となります。

2.湿熱が体に与える影響とは?

東洋医学では、「湿(湿邪)」(体内に余分な湿気が溜まる状態)と「熱」(体内の熱エネルギーが過状な状態)が重なった状態を「湿熱(しつねつ)」と呼びます。
梅雨時期は、高温多湿の環境を作り出すため、湿熱を生じやすく、体にさまざまな不調を引き起こします。

湿熱の主な症状

  • 体のだるさや重さ
    全身の倦怠感や疲れやすさ、関節や筋肉の重さを感じることが多いです。体がまるで鉛を背負っているような感覚に陥ることもあります。
  • むくみや下痢、消化不良
    消化器官にも影響を与え、胃腸の働きを鈍らせます。食欲不振や腹部の張り、胃もたれ、胸やけ、下痢、便秘などの症状が見られます。
  • 頭痛やめまい、頭が重い
    湿熱が頭部に及ぶと頭がぼんやりしたり、重く感じたり、時にめまいや頭痛が起こります。気圧の変化に敏感な人は特に影響を受けやすいです。
  • 肌のトラブル
    皮膚の炎症やかゆみ、湿疹、吹き出物などを引き起こします。汗をかく季節は特に雑菌が繁殖しやすく、悪化の原因となることもあります。
  • 精神的な不調
    心の働きにも影響し、イライラや落ち込み、焦燥感など精神的な不安定さを引き起こすこともあります。

湿熱が停滞すると、代謝機能が低下し、気血の流れも滞ってしまいます。これにより慢性的な疲労や免疫機能の低下を引き起こし、体調不調の長期化につながるため、早めの対策が必要です。

3.夏至の養生:湿熱に負けない生活習慣

湿熱を溜めない・取り除くためには、日々の食生活や生活習慣の工夫が大切です。

①食事

  • 清熱作用のある食材:きゅうり、トマト、なす、セロリ、スイカ、ミント など
  • 利湿作用のある食材:とうもろこし、枝豆、緑豆 など
  • 酸味のある食材:レモン、梅干し、酢の物(例:きゅうりやワカメの酢の物) など
  • 消化を助ける食材:生姜、みょうが、ねぎ など

脂っこい物、揚げ物、濃い味付けの食品、甘いお菓子や砂糖を多く含ん飲料、アルコール、冷たい飲み物の摂り過ぎは湿熱を悪化させるため控えましょう。

蒸す、煮るなど油を使わずに素材の味を活かす調理法や、生野菜の摂り過ぎに注意し、温野菜や加熱調理した野菜も取り入れた胃腸に優しい食事をオススメします。

②水分補給

汗をかく時期は水分補給が必要ですが、冷たい飲み物の摂り過ぎは内臓を冷やし、消化機能を弱めることがあります。常温~やや冷たい程度のお茶や水をこまめに摂ることがオススメです。

③適度な運動で汗をかく

適度な運動は血液やリンパの流れを促進し、湿気の停滞を防ぎます。激しい運動は、体に熱をこもらせるので避け、ウォーキングや軽いジョギング、ヨガなどが適しています。汗をかいて体内の湿気を外に出すことがポイントです。

④入浴で体を温める

ぬるめのお湯(38~40℃程度)にゆったりと浸かること(15~20分程度)で、血流が良くなり体がリラックスします。また、体温が上がることで汗とともに湿気を排出しやすくなります。長風呂や熱い湯は、体の負担になるため注意しましょう。

⑤室内環境の工夫

梅雨のジメジメとした環境は、湿気を溜め込みやすいので、こまめな換気や除湿を心がけましょう。エアコンの除湿機能や除湿器を活用して、室内の湿度を50~60%に保つと過ごしやすくなります。

⑥睡眠をしっかりととる

湿気と暑さで眠りが浅くなると、湿熱が溜まりやすくなります。エアコンや除湿機で室温と湿度を快適に保ち、通気性の良い寝具で寝苦しさを軽減しましょう。

4.心のケア

湿熱は、体だけでなく心にも影響を及ぼします。東洋医学では、「心」は神(しん)とも呼ばれ、精神の安定や感情のコントロールに深く関係しています。湿熱が溜まると神経が過敏になり、イライラや落ち込み、不安感が強まることがあります。湿熱が「心」に影響すると精神的・神経的な不調が起きやすくなります

  • 深呼吸や瞑想
    深くゆっくりとした呼吸は自律神経を整え、ストレス軽減に効果的です。1日5分でも深呼吸や瞑想の時間を持つことをオススメします。
  • 運動や自然散策で気分転換
    適度な運動は、体の湿熱を解消するだけでなく、セロトニン(幸せホルモン)の分泌を促し、気持ちを明るくします。公園や山など自然の中を歩くと、心身ともにリフレッシュできます。
  • 良質な睡眠の確保
    睡眠不足や質の低下は、精神の不安定を助長します。寝る前はスマホを控え、静かな時間を意識し、深呼吸や軽いストレッチ、温かい飲み物で心をほぐしましょう。
  • 人と話す、感情を表現する
    気持ちを溜め込むとストレスが増幅します。家族や友人、専門家など信頼できる相手に話すことで気持ちが軽くなることが多いです。

5.さいごに

夏至の季節は、昼の時間が長く活動的になりやすい反面、湿熱という見えないものが体に影響を与えやすい時期でもあります。体のだるさや消化不良、肌のトラブル、そして心の不調など決して無視せず、日々の食事や生活習慣、心のケアを通して予防と対策を心がけましょう。
季節のリズムに寄り添った養生は、健康維持にとってとても大切です。梅雨の湿気を上手に乗り切り、元気に夏本番を迎えましょう。

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