毎月何気なく見ている生理は体調を深く反映しています。

女性の体は、ひと月の中でダイナミックに変化しています。
「生理」はその変化を象徴する大切なサイン。
でも、仕事や家事、プライベートで忙しくしていると、「生理が来た」「終わった」くらいで済ませてしまう方も多いのではないでしょうか。

中医学(東洋医学)では、生理は「体の内側を映す鏡」と考えます。
経血の色・量・周期・期間の変化には、そのときの体調や心の状態が映し出されています。
つまり、生理を観察することは「今の自分の体調を知る」ためのとても自然で確かな方法なのです。


痛みや周期の乱れ、無視していませんか?

「昔から生理痛があるから」「少し周期がズレるのはよくあること」と思っていませんか?
確かに、生理の症状は人それぞれ。でも、痛みや不調は体からの大切なサインです。
それを放っておくと、冷えや疲労、ホルモンバランスの乱れなどが積み重なり、将来的に婦人科系のトラブルや自律神経の乱れにつながることもあります。

中医学では、生理痛や周期の乱れを「気(き)・血(けつ)・水(すい)」のバランスの乱れと捉えます。
この3つの流れが滞ると、体の調和が崩れ、さまざまな不調が現れるのです。


生理を整えると体も整う

生理を整えることは、体全体を整えることにつながります。
経血の状態をチェックしながら、自分の体の小さな変化に気付くことが、健康維持の第一歩です。

チェックのポイントは1~2周期ほどの変化は気にせず、3~4周期以上続く変化を見逃さないようにすることです。

1~2周期ほどで戻るようでしたら気にしないで大丈夫です。その変化がずっと続いてしまう場合は対処するようにしましょう。

また、40歳を超えるとだんだんと体が閉経の準備を始めます。すると体の調子が良くても生理が乱れることが多々あります。少し変化があっても気にしすぎないようにしましょう。

気になる場合は漢方を専門とする医療機関へ、ひどい場合は病院へ相談するようにしましょう。

それでは、「いつもの自分と比べたときの変化」をキーワードに、経血の色・量・周期などから体調を読み解くヒントをご紹介します。


経血の色

生理の血の色は、体の状態を映すサインの一つです。
赤にもさまざまなトーンがあり、それぞれ意味があります。


②色が明るくなった

最近、経血の色が鮮やかな赤や明るいピンクっぽくなっていませんか?
中医学では、これは「体がヒートアップしている」サインと考えます。

仕事のプレッシャー、睡眠不足、ストレスが続くと、体内に「熱(ねつ)」がこもります。
この熱が血に影響し、明るい赤色に変わるのです。

体が熱を持つと、のぼせ・イライラ・口の渇き・ニキビなどのトラブルも出やすくなります。
そんなときは、冷たいものを取りすぎず、深呼吸を意識して心を落ち着ける時間を作りましょう。
漢方では「清熱」「養陰(よういん)」といって、体の熱を鎮め潤いを保つケアを行います。


③色が暗くなった

経血が黒っぽい・ドロッとした感じがする場合は、「血の巡りが滞っている」サイン。
冷えやストレスで「瘀血(おけつ)」という状態になっているかもしれません。

瘀血になると、肩こり・頭痛・生理痛が重くなるなど、血の流れの悪さが全身に現れます。
体を温める食事(しょうが・ねぎなど)を意識したり、軽い運動で血の巡りを促すのがおすすめです。


④色が薄い

経血の色が薄く、サラサラしている場合は「血(けつ)」が不足している可能性があります。
中医学では、血は体の栄養そのもの。血が少ないと、顔色が悪くなったり、めまいや疲れやすさを感じたりします。

ダイエットで栄養が偏っている、忙しくて食事を抜くことが多い方は要注意。
黒豆・レバー・ほうれん草・黒ゴマなど、血を養う食材を積極的に取り入れましょう。


⑤血のかたまりがある

血のかたまり(血塊)が多い場合は、「血の滞り(瘀血)」が強くなっている状態です。
冷えやストレスによる自律神経の乱れ、過度な疲労が原因のこともあります。

湯船につかる、体を冷やさない、ゆっくり休む——それだけでも巡りは改善します。
また、体質に合わせて血の流れを整える漢方を使うことで、だんだん生理中も快適に過ごせるようになります。


経血の量

経血の量にも、体のエネルギー状態が表れます。


①量が多くなった

生理の量が多くなったと感じるときは、体が炎症傾向にあるか、エネルギー(気)が不足して血をうまくコントロールできていないことが考えられます。

疲れがたまっているのに無理をしていませんか?
夜更かしやストレスで体に熱がこもると、血が動きやすくなり量が増えることもあります。

体を冷やしすぎず、しっかり睡眠をとって気と血のバランスを整えましょう。


②量が少なくなった

経血が少ない場合、貧血傾向や「血虚(けっきょ)」という状態が考えられます。
これは血そのものが少なく、体を十分に養えない状態です。

疲れやすい、爪が割れやすい、顔色が悪い、髪がパサつく——そんな症状も同時に出やすくなります。
栄養バランスを整え、血を増やすケアが大切です。
こういったタイプの方にも、漢方では「補血」といって、血をしっかり作れるように体を促していきます。


周期

いつもより周期が短かった場合

生理周期が短くなる(25日以内でくるなど)ときは、体が少し疲れているサインです。


中医学では、疲労やストレス、熱のこもりによって「気」が乱れると、周期が短くなることがあると考えます。

「最近ちょっと頑張りすぎたな」と感じるときは、意識的に休む勇気を持ちましょう。
軽い運動や深呼吸、ハーブティーなどで自律神経を整えるのもおすすめです。


何日間続くか

①いつもより長引いている場合

生理がダラダラと長引くときは、「血を止める力(気の力)」が弱っている状態です。
疲れや睡眠不足などが原因で、出血を抑える力の低下が関係しています。

体のエネルギーを補うために、温かい食事・十分な休息を意識しましょう。
漢方では「補気(ほき)」といって、気の力を高めることで改善を図ります。


②いつもより短かくなった場合

生理がすぐ終わってしまう場合は、心配事や考え事が多く「血を消耗している」可能性があります。
血は心と深く関係しており、ストレスや精神的な疲れが続くと血が減ってしまうことがあります。

リラックスできる時間を意識的に取り、体と心を休めてあげましょう。
漢方では「補血」を行うことが多いです。


生理はその月の体の成績表

いかがでしたか?
生理の状態は、想像以上に体の繊細な変化を映し出しています。

特に頑張り屋さんの女性ほど、「まだ大丈夫」と自分を後回しにしてしまいがちです。
でも、体はいつも小さなサインを送っています。
「ちょっと疲れてるかも」「冷えてるかも」——その小さな声に耳を傾けることが、健康を守る第一歩です。

生理の不調は、放っておくと慢性的な冷えやホルモンバランスの乱れに発展することもあります。
しかし、今の体の状態を知り、体質に合ったケアをすれば、必ず改善していきます。


ここで紹介した内容はあくまで一般的な目安です。
生理の状態や体質は人それぞれ違います。

「体のケアをしたいけれど、何から始めていいかわからない」
「自分の体質をもっと知りたい」

そんな方は、ぜひ一度当薬局にご相談ください。
漢方の視点から、あなたの今の体に合った最適なケア方法をご提案いたします。

心も体も軽やかに過ごせるよう、私たちが一緒にサポートいたします。

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