布団に入ってもなかなか眠れない。
やっと眠れたと思ったら夜中に目が覚め、朝になっても疲れが抜けない——。
この夏、そんな眠りの変化を感じていませんか?
夏は、暑さや湿気による寝苦しさだけでなく、汗をたくさんかくことで、心身が思っている以上に疲れやすい季節です。
こうした夏の疲れが、夜の眠りにも影響しているのかもしれません。
「暑いから眠れない」と思っていても、部屋を涼しくするだけでは解決しないこともあります。
では、なぜ夏は眠りが浅くなりやすいのでしょうか?
今回は、夏の眠りを整えるために知っておきたい体の変化と、今日からできる養生についてご紹介します。
♦夏の「睡眠チェック」をしてみましょう
夏を過ごす中で、次のような変化はありませんか?
- 夜中に目が覚めることが増えた
- 朝早く目が覚めるになった
- 眠りが浅く、熟睡した感じがしない
- 眠った時間のわりに、疲れが残っている
- 朝起きた瞬間から、すでに体が重だるい
夜中に一度、目が覚めることは珍しいことではありません。
けれど、以前よりもこうした症状が増えたり、朝起きたときに疲れがリセットされていないと感じたりするときは、注意が必要です。
何時間眠ったかという「時間」だけでなく、今の自分がどんなふうに眠れているのか、その「質」にも注目してみましょう。

♦部屋を涼しくしても眠れない…原因は「体の中の消耗」?
夏に眠りが浅くなる原因として、まず思い浮かぶのは「暑さ」と「湿気」ではないでしょうか。
寝室が暑すぎたり、ジメジメと湿度が高かったりすると、体の中に熱がこもってしまい、脳や体がリラックスモードに入れません。
そのため、「冷房は体に悪いから」と我慢せず、エアコンの「冷房機能」や「除湿機能」、扇風機などを上手に使って、まずは心地よく眠れる環境を整えることが大切な養生になります。
しかし、「エアコンで部屋を涼しくしているのに、なぜか眠りが浅い」ということもありませんか?
実は東洋医学では、夏の眠りの浅さは、気温や室温だけでなく「体の中の消耗」が大きな原因だと考えます。
夏は、暑さによる負担に加えて、汗をたくさんかくことで、体から2つの大切なものが失われがちです。
1つ目は、日々の元気や活動を支える「エネルギー」。
2つ目は、体の中をみずみずしく満たす「うるおい」です。
汗をかくこと自体は、体温調節に必要な働きです。
しかし、連日の猛暑で汗をかき続けると、気づかないうちにエネルギーとうるおいがセットでジワジワと漏れ出してしまい、体の中がカラカラの「大はしゃぎ(興奮)状態」となってしまうのです。
体と心は、表裏一体でつながっています。
日中の暑さや活動でエネルギーとうるおいを消耗した状態が続けば、夜になっても体が上手に休めず、眠りの質にまで影響してしまいます。
♦疲れているからこそ、「休む準備」を
「こんなにクタクタに疲れているのだから、夜はぐっすり眠れるはず」
そう思っているのに、いざ布団に入ると目が冴えてしまう。
そんな経験はありませんか?
前の項目でお話した通り、夏の体はエネルギーとうるおいが消耗し、ブレーキが効きにくい「興奮状態」になりがちです。
そのため、体は疲れているのに、心や頭のスイッチがなかなか切り替わらないことがあります。
布団に入ってからも考え事が続いたり、気持ちが落ち着かなかったりして、すぐに休息モードへ入ることができません。
だからこそ、夏の眠りを整えるには、布団に入る前からの「休む準備」がとても大切になります。
おすすめは、夕方以降から心と体の活動ペースを落としていくこと。
たとえば、
- 夕食後はゆっくり過ごす
(胃腸を休め、体全体をリラックスさせる) - 夜は照明を少し落として、刺激を減らす
(目から入る光の刺激を減らし、脳に夜の訪れを伝える) - 好きな音楽を聴いたり、ストレッチをしたりして、気持ちがゆるむ時間をつくる
(日中の緊張をほぐし、心と体を休息モードへ切り替える)
また、寝る直前まで仕事をしたり、スマートフォンを使ったりするのはできるだけ避けましょう。
強い光や次々と入ってくる情報が、眠りに向けた心身の切り替えを妨げることがあります。
できることから取り入れ、「休める状態をつくる」ことを意識してみましょう。

♦夏の疲れを感じたら、眠り方だけでなく「休み方」を見直して
夜中に目が覚める。
眠りが浅く、熟睡した感じがしない。
朝になっても疲れが残っている。
そんなときは、ただ睡眠時間を増やすことだけでなく、一日の終わりに心身をきちんとやすませる時間がつくれているかも見直してみましょう。
夏は、暑さや発汗によって、自分が思っている以上に体が消耗しやすい季節です。
だからこそ、眠ることだけを「休息」と考えるのではなく、眠りに入るまでの過ごし方も休息の一部として大切にしたいものです。
心身がゆっくり落ち着けるように、眠る前から少しずつペースを落としていく。
それもまた、夏の疲れをいたわる養生です。
今夜は早めに予定を切り上げて、心と体が休まる時間をつくってみませんか?

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