「牛乳はカルシウムが豊富だから、毎日飲みましょう!」

子どもの頃からそんな風に教えられてきた人も多いのではないでしょうか。

給食では毎日のように牛乳が出て、背を伸ばすため、骨を丈夫にするため、健康のために飲む。

『牛乳=健康』というイメージは、私たちの中にかなり強く根付いています。

でも、ちょっと考えてみてください。

大人になった今も、本当に毎日牛乳を飲む必要があるのでしょうか?

確かに、牛乳はカルシウムやタンパク質など、もちろん栄養素を含んでいます。

だからといって、『栄養がある=誰にとっても毎日必要』というわけではありません。

今回は、牛乳を『体に良い食品』という植え付けられた知識ではなく、栄養学や東洋医学などの別の視点から考えてみましょう。

牛乳は『子牛のための飲み物』

そもそも牛乳とは何でしょう?

当たり前ですが、牛の赤ちゃんである子牛が成長するための乳です。

牛と人間では、成長のスピードも必要な栄養素もからだの仕組みも異なります。

人間も赤ちゃんの頃は母乳を飲みますが、成長して離乳したあとも他の動物の乳を習慣的に飲む必要があるのでしょうか。

もちろん、牛乳からカルシウムやタンパク質を摂ること自体が悪いわけではありません。

ただ、『牛乳には栄養がある』と『毎日大人が飲むべき』は、同じ意味ではありません。

ここは一度分けて考えてみたいところです。

実際、牛乳は栄養価の高い食品です。

でも、その栄養素は牛乳からしか摂れないのでしょうか?

答えはもちろんNoです。

カルシウムもタンパク質も、魚や大豆製品、野菜、海藻、ナッツなど、様々な食品から摂ることができます。

牛乳のタンパク質カゼインは消化に時間がかかる

カゼインは胃の中で固まりやすく、消化に時間がかかる性質があります。

実際、胃の中ではカゼインを含む乳タンパク質が凝集して、ホエイタンパク質よりも消化がゆっくり進むことが確認されています。

これは必ずしも悪いことではありません。

ゆっくり消化されるということは、それだけ腹持ちが良いというメリットにもなります。

しかし、胃腸が弱い人にとっては負担になることがあります。

牛乳を飲むと、

・お腹が張る

・胃が重い

・なんとなくもたれる

・下痢をする

・鼻水や痰が増えたような気がする

という人もいます。

『牛乳は健康に良いから』と我慢して飲み続ける必要はありません。

飲んだ後に自分の体がどう反応しているか、ここを見ることが大切です。

酸化が進んだ脂質、変性してしまったタンパク質

市販の牛乳は、殺菌や均質化などの工程を経ています。

高温での加熱によって、タンパク質が変性することは事実です。

加熱条件によっては一部のアミノ酸やタンパク質の消化性にも影響すると言われています。

また、牛乳に含まれる脂肪分を均一にするために撹拌(かくはん)する際に空気と混ざり、脂質の酸化が進んでしまいます。

つまり、サビた脂を摂取しているともいえます。

ここで考えたいのが、加工された食品を毎日必ず摂取する必要があるのか?ということです。

『骨を丈夫にするなら牛乳』は本当?

牛乳を飲めば骨粗鬆症を防げる??

牛乳=カルシウム。

だから、牛乳を飲めば骨が丈夫になる。

そう思っている人は多いでしょう。

しかし、実際の研究ではもっと複雑です。

乳製品の摂取量が多いほど骨折が減るとは示されていません。

それどころか、スウェーデンで10年間女性を調査した研究で、1日牛乳を3杯以上飲むグループと1杯未満のグループで死亡率と股関節の骨折率を比べた結果、牛乳を1日3杯以上飲むグループの方が死亡率・股関節の骨折率がともに高かったという結果だったといいます。

つまり、牛乳の飲みすぎは骨をもろくする原因になり得ると考えられます。

カルシウムだけでは足りない!大切なのはマグネシウムとのバランス

カルシウムというと、『骨』のイメージがありますが、カルシウムはそれだけではありません。

筋肉の収縮、神経伝達など、体の様々な働きに関わっています。

そして、ここで重要になるのがマグネシウム。

カルシウムとマグネシウムは、体の中で互いに関係しながら働いています。

『カルシウムをたくさん摂れば摂るほど良い』という考え方ではなく、カルシウムだけに偏らずマグネシウムも十分に摂ることが大切です。

特にマグネシウムは、現代の食生活では不足しやすい栄養素の1つです。

ストレスやアルコールの摂りすぎ、糖質や脂質に偏った食事、加工食品ばかりの食生活など、様々な要因が摂取不足や必要量の増加につながります。

気をつけたい、リンの摂りすぎ

もう一つ、見落としやすいのがリンです。

リンも体に必要なミネラルで、骨や歯、エネルギー代謝などに関わっています。

ただし、現代の食生活では加工食品や食品添加物などからリンを多く摂りやすいことが問題になる場合があります。

血中のリンが高い状態と血管の石灰化について、研究が進んでいます。

牛乳を毎日のみ、さらに加工食品、インスタント食品、コンビニ食が多い。

もしそんな食生活なら、食生活の見直しも必要ですね。

まとめ

『牛乳が悪い』のではなく、『牛乳を飲めば健康』という思い込みを手放そう

牛乳にはカルシウムもタンパク質も含まれています。

でも、それらは牛乳からしか摂れませんか?

いいえ。

骨を丈夫にするために必要なのはカルシウムだけではありません。

タンパク質も、ビタミンDも、ビタミンKも、マグネシウムも必要です。

そして、それらは牛乳以外の様々な食品から摂ることができます。

だから私は、『健康のために毎日牛乳を飲む』という習慣は、一度見直してみてもいいと思っています。

特に、冷えやすい人、胃腸が弱い人、牛乳を飲むとお腹の調子が悪くなる人なら、なおさらです。

『牛乳は体にいいから飲まなきゃ』ではなく、『私には本当に牛乳が必要?』と、一度立ち止まって考えてみてください。

健康のために続けていた習慣を、あえて手放してみる。

そして、自分の体がどう変わるか観察してみてください。

それもまた、東洋医学でいう“自分の体を知る”ということなのです。

自分の体に『何を足すか』だけではありません。

『何をやめるか』から、体が変わることもあります。

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