1.白露(はくろ)とは?(2025年9月7日~9月22日)
白露とは、朝露が草木に宿り、白く光りはじめる頃。
昼と夜の気温差が大きくなり、少しずつ秋の気配が五感にしみわたる季節です。
しかし近年は、9月に入っても30度を超えるような厳しい残暑が続くことが多く、「まだ夏の延長」と感じる方も多いのではないでしょうか。
日中は真夏のように暑いのに、朝晩はふと涼しさを感じる—―
この寒暖差に体がついていけず、夏の疲れが表に出やすい時期でもあります。
「まだ夏のようでも、体は秋を迎えはじめている」
白露は、そんな季節のアンバランスに体を慣らす調整期間。
無理なく秋に入っていけるよう、心と体をやさしく整えていきましょう。

2.白露に起こりやすい体の不調
この時期に特に注意したいのは、「冷え」と「乾燥」、そしてそれに伴う「肺の不調」です。
東洋医学では、秋は「肺」に属する季節。肺を潤し、乾燥から守ることが秋を元気に過ごすカギとされています。
白露にあらわれやすい症状
- 朝晩の冷えで体がだるい、手足が冷える
- 喉のイガイガ、咳、鼻づまりなど呼吸器トラブル
- 肌の乾燥、かゆみ
- 寝つきが悪くなる、眠りが浅い
- 気分の落ち込み、情緒不安定 など
これらは、季節の変化により自律神経が乱れやすくなること、肺や皮膚が乾燥にさらされやすくなることに起因しています。
特に注意したいのが、朝晩の冷え込みです。日中の暑さの印象で油断してしまいますが、体は確実に冷えの影響を受けています。
うっかり薄着で寝たり、冷たい飲食物を摂り続けたりしていると、体の内側から冷え、免疫力が落ちて不調を招きやすくなります。
3.白露の養生ポイント
①冷え対策:「温」を守る
昼間は暑くても、朝晩は冷えるのがこの時期の特徴です。
特に首・手首・足首の「三つの首」を冷やさないよう心がけましょう。
寝具を秋仕様に変える、腹巻やレッグウォーマーを使うなど、体の芯を冷やさない工夫が必要です。
また、入浴もシャワーだけで済まさず、湯船にゆっくり浸かって一日の冷えや疲れをリセットする習慣を持つようにしましょう。
温かい飲み物もおすすめです。
②乾燥対策:「潤」を養う
秋の乾燥は、肌だけでなく、肺や喉といった体の内側にも影響を及ぼします。
加湿器の使用や保湿クリームなどで外側から潤いを補うことも大切ですが、食事によって内側から潤いを養う意識も忘れずに持ちたいものです。
潤肺食材を積極的に取り入れ、水分や粘膜の潤いを保つよう心がけましょう。
また、深くゆっくりとした呼吸を意識することで、肺の働きをサポートし、乾燥に負けない体づくりに繋がります。
③生活リズムを整えて「気」を養う
季節の変わり目は自律神経が乱れやすく、睡眠や食事のリズムが乱れると、ますます体調が崩れやすくなります。できるだけ毎日同じ時間に起床・就寝し、暴飲暴食を避けるようにしましょう。
朝は、朝日を浴びて体内時計をリセットし、夜はスマートフォンの使用を控え、質の良い睡眠を目指しましょう。
気分が落ち込みやすい時期でもあるため、散歩や軽い運動で気を巡らせることも有効です。
4.白露におすすめの食材&生活習慣
①おすすめ食材
- 梨:旬を迎える果物。肺を潤し、乾燥による喉の渇きや咳を和らげます。体内の潤いを保つためにピッタリの食材。
みずみずしく、熱を冷ます作用もあるため、残暑の時期にも適しています。
蒸し梨や煮梨にすると、体を冷やし過ぎず美味しくいただけます。 - 白きくらげ:肺や喉、肌を潤す作用があります。滋陰潤肺(じいんじゅんはい)といわれるように、体の内側から潤いを補い、空咳や肌の乾燥対策にも効果的。
スープやデザートに取り入れやすく、クコの実やはちみつとの組み合わせもおすすめです。 - かぼちゃ:胃腸を温め消化吸収を助け、「気(エネルギー)」を補う。体力の回復や免疫力の向上をサポートしてくれます。
自然な甘みとほくほくした食感で、心も体もほっと癒される食材。煮物やスープにして、体を内側から温めましょう。

②おすすめ生活習慣
- 軽い運動で巡りを整える
白露の時期は、朝晩の冷えや乾燥で体調を崩しやすいため、軽い運動で巡りを整えることが大切です。朝の散歩やラジオ体操、ゆったりとしたストレッチや深呼吸を取り入れることで、自律神経が整い、夏の疲れや冷えの予防にもつながります。 - カフェイン・アルコールの摂り過ぎに注意
夏の間に冷たい飲み物や刺激のある飲料を摂り過ぎた方は、そろそろ内臓のケアを意識したい頃。
コーヒーやお酒の量は少し控えめにし、常温~温かい飲み物に切り替えていくのがおすすめです。 - 秋の五感養生を楽しむ
虫の声、空の色、風のにおい…
日常の中で、ふとした瞬間に自然の変化を感じることは、感覚のリセットになり心の安定にも繋がります。
例えば:
●散歩中に深呼吸をしながら秋を感じる時間をつくる
●通勤や買い物の合間に空を見上げる
●窓を開けて季節の香りを感じる
●部屋に秋の草花を飾る など - 温かいお茶でほっとひと息
乾燥対策とリラックスを兼ねて、温かいお茶を楽しむのもおすすめです。
体をやさしく温める生姜湯、潤いを補う黒豆茶やなつめ茶など、季節に合った一杯を選んで、ほっとひと息ついてみてはいかがでしょうか。
5.おわりに
白露は、夏の名残と秋の気配が交差する‟ゆるぎ”の季節。
この時期に無理なく心身を整えることが、健やかな秋への第一歩になります。
「温」と「潤」を意識した暮らしを少しずつ始めて、季節のリズムにやさしく寄り添っていきましょう。

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