7月も後半。
この頃は、「土用(どよう)」と呼ばれる季節の変わり目にあたります。

季節の変わり目は、気温や湿度の変化によって体調が揺らぎやすい時期です。
特に夏土用は、厳しい暑さと湿気の影響を受け、体に負担がかかりやすくなります。

「なんだか頭がボーッとして集中できない」
「いつもならすぐに決められることが決められない」
「考えがまとまらず、仕事の効率が落ちた気がする」

そんな不調を感じていませんか。

自分の気合が足りない、疲れているだけだと思ってしまうかもしれません。
しかし東洋医学では、このような状態も、暑さや湿気に対応するために体が頑張っているサインの一つと考えます。

1.なぜ夏土用は集中力・判断力が低下するの?

東洋医学では、夏の暑さを「暑邪(しょじゃ)」、湿気による影響を「湿邪(しつじゃ)」と呼びます。

夏土用は、この暑邪と湿邪の影響を受けやすく、特に「心(しん)」と「脾(ひ)」に負担がかかりやすい時期です。

①暑さで「心(しん)」に熱がこもる

「心」は、血液循環だけでなく、精神活動や意識、思考にも関わる大切な臓腑です。
夏の暑さによって体に熱がこもると、「心」の働きが乱れやすくなります。
その結果、

  • 気持ちが落ち着かない
  • 注意が散りやすい
  • 集中が続きにくい

といった状態につながることがあります。

②「脾」が弱ると、考えがまとまりにくくなる

「脾」は、食べたものから体に必要なエネルギーをつくり出す、消化吸収に関わる働きを担っています。
また、東洋医学では、「脾は思(し)を主る」といい、考えをまとめたり、物事を判断したりする働きとも深く関わりがあるとされています。

夏に冷たい飲食や湿気の影響で脾の働きが弱ると、体に必要な気(エネルギー)が不足し、頭の働きを支える力も低下しやすくなります。

そのため、

  • 考えがまとまらない
  • 判断に時間がかかる

といった状態につながるのです。

2.夏土用の養生は「頭を涼しく、お腹を温かく」

夏の暑さによる熱を冷ますことが大切ですが、冷やしすぎにも注意が必要です。
冷房の効いた環境で長く過ごしたり、冷たい飲食が続いたりすると、体の内側のバランスが乱れ、脾(胃腸)にも負担がかかりやすくなります。

夏の養生では、

  • 頭部は熱をこもらせないよう涼やかに保つ
  • お腹や足元は冷やしすぎないよう守る

というバランスが大切です。

夏土用の集中力や判断力の低下を整えるには、暑さによる「心」の負担を整え、湿気や冷えで影響を受けやすい「脾」をいたわることがポイントになります。

3.今日からできる!集中力・判断力を取り戻す3つの養生法

①脾をいたわる食べ方を心がける

夏は冷たい食べ物に偏りやすくなりますが、脾(胃腸)をいたわるためには、日々の食事の摂り方を意識することが大切です。

例えば、

  • 一度に食べ過ぎない
  • よく噛んでゆっくり食べる
  • 胃腸が疲れている時は、消化のよいものを選ぶ

など、胃腸に負担をかけにくい食べ方を意識してみましょう。

苦味の食材で、夏の熱を整える

夏の暑さで体に熱がこもりやすい時は、食材の力を借りて熱を整えることも養生のひとつです。
東洋医学では、苦味のある食材には余分な熱を冷ます働きがあるとされています。
夏の代表的な苦味の食材であるゴーヤは、この時期におすすめです。
ゴーヤチャンプルのように、豆腐や卵、豚肉などと組み合わせると、苦味がやわらぎ食べやすくなります。

苦味のある食材や体を冷やす性質のあるものは、摂り過ぎると胃腸の負担になることもあります。
冷えやすい方は、量を調整しながら楽しみましょう。

湿をためない生活で、脾をいたわる

湿は体の中に停滞しやすいため、脾の働きを助け、体に余分なものをため込まない生活を心がけましょう。

例えば、

  • 冷房の中では、お腹や足元を冷やしすぎない
  • 水分は一度にたくさん摂らず、こまめに摂る
  • 湯船につかって体を温める時間をつくる
  • 軽く体を動かして、体の巡りを整える

など、夏の環境に合わせた過ごし方を取り入れてみましょう。

4.おわりに

夏に集中力や判断力が低下するのは、気持ちの問題だけが原因とは限りません。
暑さや湿気、季節の変化に対応しようと、体が働いているサインの一つかもしれません。

夏土用は、暑さや湿気で乱れやすい体のバランスを整え、心身をいたわりながら、次の季節へ向けて準備をする大切な時期です。

その日の体調に合わせた養生を取り入れながら、この夏を心地よく過ごしていきましょう。

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