水仕事のあとに手がカサカサする、指先がひび割れる、かゆくて夜も気になる・・・・。そんな手荒れに悩んでいませんか?

特に空気が乾燥する秋から冬にかけては、手の湿疹が悪化しやすい季節です。

家事や仕事で手を使うたびに症状が気になり、なかなか治らないことにストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。

手荒れは、保湿や塗り薬によるケアが大切です。しかし、何度も繰り返す場合は、皮膚のケアだけでなく、生活習慣や体質にも目を向けてみましょう。

今回は、主婦湿疹の基本的な知識から、似た症状が現れる病気、漢方医学の視点から考える体質別のケアまで、漢方薬局の視点でわかりやすく解説します。

主婦湿疹とは

主婦湿疹とは、手のひらの指、手の甲などに赤み、かゆみ、ひび割れなどが現れる手湿疹のことです。水仕事をする方に多いことから、この名前で呼ばれています。

主な原因は、洗剤や水、アルコール消毒、頻繁な手洗いなどによる皮膚への刺激です。

皮膚の表面には、水分を保ち、外部からの刺激を防ぐ働きがあります。

しかし、繰り返し刺激を受けると、耐え切れなくなってしまい、炎症が起きやすくなります。

また、ゴム手袋や洗剤などに含まれる成分が原因で、アレルギー性の接触皮膚炎を起こすこともあります。

秋冬は、夏に比べ湿度が下がりカラッとしている一方で、空気が乾燥するため、皮膚も乾燥しやすくなり、手荒れが悪化しやすい時期です。水仕事のあとに保湿剤を塗る、洗剤に直接触れないようにするなど、日常的な対策が大切です。

病院の薬に効果を感じられない方も・・・

主婦湿疹の治療では、炎症を抑えるためにステロイド外用薬が使われることがあります。

赤みやかゆみが落ち着く方がいる一方で、なかなか改善しない方や、良くなっても繰り返してしまう方もいます。

その理由の一つは、湿疹の原因や悪化要因が人によって異なるためです。

例えば、洗剤による刺激が続いていれば、薬で炎症が落ち着いても、再び皮膚に負担がかかります。また、アレルギー原因物質に触れ続けていたりする場合もあります。

しかし、日常生活の範囲内で触れているだけにも関わらず、なかなか塗り薬で良くならない方もいます。その場合は、体の内側のケアが必要かもしれません。

いくら外側をケアしても、生まれてくる皮膚に元気がなかったり、炎症の原因が内側、特に内臓の機能の低下にある場合は、塗り薬が効きづらいことが多いです。

塗り薬が効きづらい方は、もしかすると内側に原因があるかもしれません。

主婦湿疹に多い体質タイプ

漢方医学では、皮膚だけを見るのではなく、食事や睡眠、胃腸の調子、年齢による変化なども含めて体全体の状態を考えます。

① 胃腸が弱い方

食後に胃がもたれる、食欲にムラがある、疲れやすい、お腹を壊しやすい。このような傾向がある方は、食事から必要な栄養を十分に摂れているか、胃腸に負担をかけていないかを振り返ってみましょう。

漢方医学では、胃腸を食べ物から体に必要な栄養を取り込むための大切な働きと考えます。この働きが弱っていると、皮膚を健やかに保つための栄養も不足しやすいと捉えます。

食事を抜いたり、冷たいものばかり摂ったりせず、消化しやすい食事を規則正しく摂ることを意識しましょう。

② 血が不足しているタイプの方

漢方医学でいう「血(けつ)」は、全身に栄養やうるおいを届けるものとして考えられています。

血が不足しているタイプでは、皮膚の乾燥、髪のパサつき、爪の割れやすさ、めまいなどがみられることがあります。

特に女性は、月経や妊娠・出産などによって体の状態が変化するため、食事量が少ない方や、月経量が多い方などは、栄養状態にも気を配りたいところです。

病院では貧血と言われていなくても、漢方医学の視点からみると血がもう少しあると体調が整う、という方は多いです。

③ ほてりやのぼせなど、更年期障害の症状が出ている方

40代以降になると、女性ホルモンの変化などによって、皮膚の乾燥や刺激への敏感さが気になりやすくなる方もいます。

漢方医学でも、年齢とともに体をうるおす働きが変化すると考えます。ほてりや寝汗、睡眠の乱れなどが重なっている場合は、皮膚だけでなく、体全体の変化に目を向けることも大切です。

更年期障害の方が湿疹になるわけではないですが、若いころは皮膚は丈夫だったのに・・・という方は、体のうるおいが年齢によって低下していることが原因かもしれません。

外側からだけでなく、内側からのケア

主婦湿疹のケアでは、皮膚への刺激を減らすことと、体の内側の状態を整えることの両方を意識しましょう。

① 食べ過ぎに注意

食べ過ぎや脂っこい食事が続くと、胃もたれなどの不調につながることがあります。

漢方医学では、胃腸に負担がかかると、体の中に余分なものがたまりやすくなり、皮膚のトラブルにも影響すると考えることがあります。

ただし、食べ過ぎが直接、主婦湿疹を引き起こすと証明されているわけではありません。無理な食事制限をする必要はなく、腹八分目を意識しながら、主食・主菜・副菜をバランスよく摂りましょう。

② タンパク質が豊富な食事

皮膚を構成する成分の一つがタンパク質です。肉、魚、卵、大豆製品などを毎日の食事に取り入れ、必要な栄養を確保しましょう。

妊活中の方も、特定の食品やサプリメントに偏るのではなく、さまざまな食品から栄養を摂ることが基本です。極端な食事制限は避け、無理なく続けられる食生活を心がけましょう。

③ 睡眠を十分に取る

睡眠中は、皮膚を含む体の修復に関わる働きが進みます。睡眠不足が続くと、疲労が蓄積するだけでなく、かゆみが気になりやすくなることもあります。

寝る前のスマートフォンを控える、起床時間をなるべく一定にするなど、できることから始めてみましょう。

④ ストレスも湿疹の悪化要因

ストレスは睡眠や自律神経の働きに影響し、かゆみを感じやすくしたり、皮膚の症状を悪化させたりすることがあります。

漢方医学でも、精神的な緊張が体のさまざまな働きに影響すると考えます。

家事や仕事、妊活などで頑張りすぎていませんか? すべてを完璧にこなそうとせず、休息の時間を確保することも大切です。

なかなか治らない主婦湿疹には、漢方も選択肢の一つ

保湿や外用薬を使っても繰り返す手湿疹に悩んでいる方は、皮膚科で原因や治療方法を確認したうえで、漢方による体質面のケアを検討する方法もあります。

漢方医学では、皮膚の乾燥が目立つのか、赤みやかゆみが強いのか、胃腸の調子や睡眠に問題があるのかなど、一人ひとりの状態を確認して漢方薬を考えます。

例えば、乾燥が目立つ方と、赤みや熱っぽさが強い方では、漢方薬を選ぶ際の考え方が異なります。同じ主婦湿疹でも、すべての方に同じ漢方薬が合うわけではありません。

主婦湿疹は、毎日の家事や仕事のたびに気になり、心身ともに負担を感じやすい症状です。

「体質だから仕方ない」と我慢する必要はありません。まずは皮膚を守るケアを続けながら、食事や睡眠、ストレスなど、見直せるところから少しずつ取り組んでみましょう。

繰り返す手荒れにお悩みの方は、皮膚の状態だけでなく、体全体の調子にも目を向けてみてください。

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